N ID

PLACEText: Naoko Wowsugi

渋谷と原宿を繋ぐ明治通りのすぐ裏、キャットストリートに、N idがオープンしてから約3年。N idの大本「DUNE」共に代表を務める高橋達也の純粋な服への情熱によって実現した真っ白なショップの中に飾られているのはアート作品とも呼べる洋服。

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まず、従来のショップはその店のカラーいわゆるコンセプトを立てて、それに沿った服をセレクトする。服がそのお店のコンセプトの一端になるが、そうなると本来のデザイナーの個性などはどうしても表面部分しか見えてこない。デザイナーの個性を引き出すにはどうしたらいいのか、そこで考えたのが期間限定で、デザイナーごとに商品・内装を全て変えて見せるショップだった。そのデザイナーの世界観だけを表現するということは来る人に圧倒的なインパクトを与える。N idという新しいショップの形を印象づけることになった。

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その斬新さと情熱で昨年はラフォーレ原宿の特設エントランスブースに期間限定で出張展開も果たした。現在はスペースの限界もあり、数組のデザイナーの作品が並ぶのだが、将来的には本来の形式とうまく組み合わせてショップ展開を図って行きたいという。

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これまで N id はヨーロッパのデザイナーの作品を中心に服を紹介してきた。バイヤーも務める高橋氏が何度もヨーロッパに足を運び、実際にアーティストと話し、服に対する考えや情熱に共感できる場合にだけディストリビュートをする。

アーティストとディストリビューター、そしてお店とお客様へと服が繋がって行く過程で本来伝わるべきコミュニケーションは失われがちなのだが、その過程を発展的に有効に活かしてしてゆくには自身がそのデザイナーに情熱と共感をもてなければ成り立たないという信念があるからだ。

アーティストとお客様の距離がダイレクトに感じられるショップにし、アーティストがどういう人間で、今どういうことを考えているかを伝えるためにショップスタッフも積極的にデザイナーとの人間的な交流をするようにしている。

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