メルボルンのストリートアート

PLACEText: Andrew Mac, Melodie Mars

多様性。メルボルンのストリートアートはこの一言につきる。どんな好みのストリートアート文化も、ここでは見付けることができる。

メルボルン中心、フリンダーズ・ストリート駅から延びていく電車に乗り、郊外へ向かえば、ニューヨーク発のグラフィックに覆われた果てしない壁に辿り着く。無論、どこにでもあるありふれたものも目につくが、なかにはこの街のテイストがそれらに個性を与えているものもある。メルボルンにはシャッターや鉄道のコンクリートキャニオンを得意とする真面目な仲間が沢山いる。しかし、私が注目するのはメルボルン特有なものをそれぞれに兼ね備えた作品だ。

では誰がホットか?

落書きの王様、70Kは現在至るところで活躍していて、警察からすれば、反社会集団の筆頭だ。スタン、ボーンズ、レンクス、ミャオ、レイフィーによる70Kは、“ボム”スタイルの代表的な存在である。ありとあらゆる場所、線路の中、電話ボックスの引っ掻き傷、横道に目をやれば、車のバンまで。高さ6メートルから吊るされた、モップとローラーで作られたタグは、きちっと掲げられれば数キロ先から見ることができる。70Kは長年誰にも注目されなかったような場所を意図的に選び、場所決めにもぬかりはない。

70Kのスタイルはミニマルで素早く、そして戦術的によく練られた本来のやり方である一方で、決してスタイルを失うことなく、ライティングカルチャーの歴史への深い理解を示している。

今では街中に広がりをみせる70Kであるが、CBDは、もう一つのメルボルンに欠かせないものである。そして、これが常識を超えた多様性なのだ。格子状に整備されたこの街は、数えきれない程の路地や行き止まりに続く入り込みをも生み出した。ちょうどこっそり活動をするのにぴったりと適した。

80年代に活躍したマルコス・デヴィッドソンやコリン・ブリーリーといった先駆者達、全て彼ら独自の個性的な作品(自家製のノズルを使ったワイルドなスタイルを習得中の者が沢山いたなかでー充分な尊敬を込めて)そして90年代初頭には マルクスタが当時斬新だった広告やロゴを織り交ぜた「リ・アドバタイジング」という手法を確立して行った。

1996年、シティライツのメンバーが、中心地外れの奥地に24時間のライトボックス・ギャラリーを設立。ほぼ毎月にわたって、のべ150人以上のアーティストによる展示を続けている。デジタルの画像をレコードに印刷し、ライトボックスに取り付けたり、モグリの酒場風のブロックパーティーを開催したり。1998年にはさらにホシアー通りにもギャラリーをオープン。それからというもの、2つのギャラリーが中心部のシーンの中心となり、地元のアーティストが毎晩のように訪れて作品を残していくなか、スペース・インベーダーやバンクシーといった顔をみることもある。

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