「ナッハ・デア・ナトゥア(自然によると)」展

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

そして二つの部屋の間には中庭があり、その先にこんもりと土砂の山があり、そこに人工的に芝生の絨毯が絵を描く様に横たわっているアンケ・ゲーリングの作品があった。中庭とは反対側、手前奥の部屋には、一連の物語的関連を感じるクリスティアン・マイロックの写真作品が並んでいた。

2階に上がってすぐ目入ったのはディルク・ホルツベルクの作品、モニターを中に設置した大きな箱だった。箱には穴があいており、モニターは穴の口より奥まった位置に設置されていた。そしてモニターを囲む壁面四方にタイル状の鏡を張り合わせており、モニターには熊が小屋とカメラの前を行き来する短いシーケンスの映像のループが映し出されていた。一方で壁面は合わせ鏡状態となり、そこにモニターの映像とその反射が映り込み、元の映像とは全く違った想像を超えた視覚効果を生み出していた。

左手の部屋一杯に長いラッカー地の素材とむき出しの建材をとりこんだ構成のレベッカ・ミヒャエルズの作品が見えた。しかしさらに注意を引かれたのは、その手前吹き抜けの部屋を見渡せる位置から聞こえる物音だった。

『これは、不規則にカタツムリの殻が回る仕組みなんだ。特に光量に反応して速度が変化する。でもそこには規則性は無いんだけどね。』と会場にいたラルフ・シュライバーは説明してくれた。

展示数は少ないもののそれぞれの作品に良い意味で緊張感があり、意欲的な取り組みの展示の様に思えた。

Nach der Natur
会期:2005年7月30日(土)〜8月21日(日)
会場:Haus A3XX
住所:1 Pappelweg, 15366 Munchehofe, Germany
https://www.oase.udk-berlin.de

Text: Yoshito Maeoka
Photos: Yoshito Maeoka

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