アメリカ同時多発テロ事件

HAPPENINGText: Aya Muto

世界中で内戦や、民族戦争、その他にも過激派テロリズムやそれに対する弾圧が毎日起っているわけだが、このテロリズム行為はアメリカにとって、自国の国土で起き、目の前に嫌が応にも突き付けられた大惨事であった。今は米国中がもっともパトリオティック(愛国主義)になっている時だ。アメリカ国旗がここまでの統一感と意味の強さを含んだのを見たのは初めてだった。

街中の敏腕シェフたちがこぞって集まり、犠牲になった300余りのニューヨーク消防士の遺族への基金集めにバーベキューを催した。炎天下の中の数時間、この小さな駐車場になんと2500人以上の人出があり、収益金は600万円を超えたという。ロスの中でも洒落たレストランのシェフが名を列ねただけに、若いいわゆる「ヒップ」な面々が多く出向いた。ジェーソン・ベントリーやガース・トリニダッド(KCRW.ORGで知られた著名DJ達)もDJとして参加し、プレゼンテーションにも力が入れられていた。そして消防士というヒーロー像が今までになく大きなものになっていることは言うまでもないだろう。イベントはかけつけた数台の消防車のサイレンと人々の喝采で締めくくられた。

基金集めはこのように様々なユニークなイベントを通してまだまだ続く。悲しみや恐れや怒りや当惑はどうしても今すぐには消え去るものではないが、同時に、前へ進むという行為の大切さも皆が少しづつ理解しているところである。それは決してこの惨事を「忘れる」ということではない。このような殺戮行為に出る過激派の目論みに折れない、という精神である。

起るべきではないこの惨事で犠牲となった人々の御冥福をお祈りするとともに、世界中でこれ以上殺戮行為がくり返されないことを心から願います。

Text: Aya Muto

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