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クレージュ・アトリエ

PLACEText: Wakana Kawahito

クレージュのアトリエが、 去年の10月、南フランスのポー市にリニューアルオープンした。フランスを代表するこのファッションブランドの、存続をかけた起死回生に注目が集まっている。

クレージュ・アトリエ

1960年代に「ニュールック」を発表して、ミニスカートの世界的大流行を生み出したクレージュ。オートクチュール(高級注文服)主流だったファッションを、プレタポルテ(既製服)中心にしたことで、オシャレの大衆化に貢献した。それゆえに当時は、シャネルやディオールよりも、経済的に影響力があったとも言われている。しかし、80年代には、日本のアパレル会社、イトキンに経営権とブランドの権利を売り渡す。その後90年代まで、爆発的ヒット商品に恵まれず、受難の時期を迎える。

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そこで、2年前に広告代理店出身の2人のフランス人が会社を買い戻し、ブランドの再生計画がスタートした。ポーの工場は、その計画の要だ。ポーは、ブランド創設者であるデザイナー、アンドレ・クレージュの出身地。この縁ある土地に、活気のあるアトリエが甦った。

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白を基調とし、まるでコルビジェ建築のようなミニマルでモダンなデザインが美しい建物。元々使っていた工場をリノベーションしたので、どこか懐かしさも漂う。

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ところで、クレージュは、60〜70年代に日本で一世を風靡。市場の人気を受けて、イトキン社も経営権の購入に踏み切った。2003年からはライセンス契約商品のみ販売されていたが、2013年春より、フランスのポー工場から直送された商品が、新宿の伊勢丹でも販売されるようになった。

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もちろん今でも、フランスの次に重要な市場は日本。クレージュのコンセプトである “60年代から見た近未来”に原点回帰しながら、それを現代風にアレンジして、新しい顧客にアピールする。

近いうちに世界規模で20店舗のオープンを予定。2014年からはメンズも始まる。素晴らしい技術と伝統を持つ、フランスを代表するブランドの再生に、これからも注目していきたい。

Text: Wakana Kawahito
Photos: Wakana Kawahito

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葛西由香
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