ハルコ座

PLACEText: Shinobu Ono

大きなガラスのウインドウの向こうに広がる、キラキラハッピーな世界。

ハルコ座

ディスプレイされている洋服は、ユニークでカラフルで可愛く、思わず足を止めてしまう。店内に足を踏み入れると、違う世界に迷いこんだのかと錯覚するほどのキラキラしたドリーミングな世界に胸が高鳴る。店内を彩るあらゆるものが、ひとつひとつ大切に作られ、選ばれたのだということがわかる。そういう空間には、自然と訪れる人をわくわくさせるパワーが宿るのだろうか。

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代官山と恵比寿の中間地点に位置するHARCOZA(ハルコ座)には、デザイナー岡野治子氏のデザインを手掛けるオリジナルの洋服を中心に、独自にセレクトされたアクセサリーなどが並ぶ。また、現代アーティストの発表の場としてイベントや展示も行われている。「キラキラハッピー」というキーワードがお話を聞く中で何度も飛び出した。その文言通りの、着る人が幸せにならずにはいられないであろうユニークでキュートでエレガントな洋服たち。『洋服は身近なものだけれど、着る人の気分や、時に概念も変えられる存在。日常の中で、小さなわくわくでもいいから感じてもらえれば。』と岡野氏は語る。

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デザインが斬新なだけではなく、実際に袖を通してみるとその着心地の良さにはっとする。ハルコ座は「人」をとても大切にしていると感じる。岡野氏は当初はオーダーメイドで洋服を作っていたそうだ。『そのプロセスの中で価値を生み出すことに興味があった。オーダーしてくれた人が自ら価値を見出すという行為に面白さを感じていた。』着る時に感じた優しさも、独自のライフスタイルや価値の提案も、当時の、人との密なコミュニケーションを通じての制作にその原型がありそうだ。

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岡野氏はアートに非常にも深い関心を持っている。ニューヨークでファッションを学んでいた時期、アーティストたちとの交流によって非常に自由になったのだそうだ。『学校で実用性やいかに自分を売るかということを学ぶ中で、アーティストの自由な発想に出会えたことは良かった。色々な洋服の着方、自分の見せ方があるのだと思った。』ニューヨークでは、アーティストを被写体とし、彼らのアトリエで自分が制作した服を着てもらい写真を撮影する、といった活動もされていたという。『常にファッションとアートの距離間を意識している。融合できない両者をどう組み合わせられるか。また、メンタルな価値をどのように位置づけるのかという点では、アートもファッションも似た側面がある。』アートに対するシンパシーもハルコ座の創作のエッセンスとなっている。

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地下スペースにはゴージャスできらびやかなステージがある。普段は訪れて洋服を試着する人が主役になれる場であり、イベントの時にはアーティストたちのパフォーマンススペースにもなる。洋服を着るということ。ありふれた毎日の中に埋もれている、その「儀式」がもたらす意味や可能性をもう一度考えさせてくれる場所だ。

次回のコレクションは、妖怪やお化けをテーマにしたものだそうだ。『良い作品には魂があり、日本人にはその感覚が古くから日常のものとなっている。ニューヨークから帰ってきてそこをより強く感じるようになった。安くて可愛いものを買える良い時代。けれど、例えばひとつのものが孫の代まで大切に受け継がれるというのもやっぱり素敵なことだし、作り手の込めた思いを感じてくれる人もいれば嬉しい。』

ハルコ座は、日常と非日常の交差点として(偶然にもお店自体も交差点にある。)いつでも訪れる人を幸せにするいっぱいのパワフルさで迎えてくれる。ただのブティックではない、フィールドにとらわれないコミュニケーションと価値創造の基点として、私たちの日々の見方、ハッピーの感じ方を、自由でアクロバティックな方向へシフトさせてくれる。

HARCOZA(ハルコ座)
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-15-9 1F/B1
営業時間:11:00~19:30(火曜日定休)
TEL:03-6416-0725
http://www.harcoza.com

Text: Shinobu Ono
Photos: © HARCOZA

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