イニシュタークベグ島

PLACEText: Wakana Kawahito

Life Vividly Lived. 

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© Inishturkbeg

あなたにとって、贅沢とは何か?
高級レストランで最上級のワインを注文すること? それとも、南国の五つ星ホテルでバカンスを過ごすこと?
確かに、それも魅力的ではあるだろう。
でも、本当に贅沢なこととは、「生きているのを実感すること」といえば、反論するひとは少ないであろう。イニシュタークベグ島は、それをとても洗練された方法で提供しようとしている、新しい場所だ。

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イニシュタークベグ島とは、アイルランドの西側クルー海に浮かぶ島で、四方八方を山や島に囲まれている。島の面積は約25ヘクタール(東京ドーム5.4個分)、地盤は潮の満ち引きの関係で毎日5メートルの高低変化があり、又、高台となっている中央部分から、島全体を一望することができる。

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『ここには不思議な力があるんだ。来ればわかるよ』とは島のオーナー、ナディム・サデック氏の弁。50カ国に拠点を持つ、世界最大のマーケティング会社でディレクターを務め、長年世界中を飛び回ってきたナディア氏は、当時、消費社会を促進するために商品を作ることに疲弊していた。そんな折、40歳の誕生日に、妻から『島の半分が売りに出ている』という電話を受け、購入することを即決した。その後、何ヶ月かの交渉を経て、島すべての土地を買い取り、道路、水道、ガス、電気などあらゆるインフラを、すべて自費で整えた。
『幸運なことに島が山に囲まれているので、周りの山や海、空などすべてのエネルギーが一点に集まってくるような気がする。ここにいると、自然を感じ、感覚が研ぎすまされるのが分かる。“リアル”を実感するんだ』

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島では、素晴らしい眺めを見ながら、ただ本を読んだり、散歩したりとリラックスしてもよし、ボートに乗ったり、釣りをしたり、乗馬をしたり、とあらゆるアクティビティもできる。

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『ここには、法律やルールがない。唯一あるのは、家に入るときは靴を脱ぐこと、ボートに乗る時は、ライフジャケットを着ること、それぐらいかな。あとは何をしてもいい』

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2009年の6月からゲストを迎え始めた。宿泊客は、点在している6つのコテージに滞在することができ、すべて合わせて36人が収容可能となっている。そのコテージのデザインと島全体のプランは、ヨーロッパ若手建築家賞を受賞した、アンドリュー・ライトによるもの。モダンだが暖かみのあるデザインで、ゲストはまるで自分の別荘に来たかのようなそんなくつろぎを味わえる。

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さらに、2つの家は世界最大のデザイン賞の一つである、「red dot design award」を2005年に受賞した。

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去年から、アートインレジデンスのプロジェクトがスタートし、7人のアーティストが島に滞在しながら作品を作った。それらは先日のロンドンでの展示が終わった後、島に持ち帰られ、これから訪れる人も作品を見ることができるようになる。このプロジェクトは今後も続く予定で、『10年後には本になれば』とナディム氏は意欲をみせる。2010年には、ミュージシャンや詩人など、幅広いジャンルのアーティストにも参加してもらいたい、と考えており、イニシュタークベグには、今後、さらにアートギャラリーとしての役割も加わっていく。

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© Inishturkbeg

また、イニシュタークベグでは、島以外でも島のエッセンスを感じてもらうために、商品を販売している。たとえば、魚がその一つ。美しくデザインされたファイルケースのようなものにお行儀よくサーモンやツナが入れられ、まずはハロッズで限定発売された。これから、ウィスキーも発売される予定となっており、将来的には洋服、ジュエリー、サプリメントなんかも作っていきたいとのこと。

決して安いとはいえないイニシュタークベグでの滞在費だが、自由という贅沢を味わうのには惜しくはない、一つの投資だといえるのではないだろうか。

イニシュタークベグ島
所在地:アイルランド西側クルー海沖
アクセス:イギリス・ニューポートから20分、アイルランド・ウェストポートから30分、クノック国際空港から50分のフライトで島に到着。それぞれの空港までは、ロンドン・ガトウィック空港をはじめとするイギリス、スコットランド、アイルランド他の主要都市からの出発便でアクセス可能。クノック国際空港へはプライベート機で乗り継ぐこともでき、さらには直接ヘリコプターで島まで飛ぶことも可能。
問合せ先:+353 87 657 3840
http://www.inishturkbeg.com

Text: Wakana Kawahito

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