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ファッション&テキスタイル・ミュージアム

PLACEText: Sari Uchida

ドレスの多くは、2000年以降のコレクションから選んだものが多く、各デザイナーがどれだけこの展覧会の意図を理解したのか、その度合が計らずとも分かる結果になった。ここではその中でも選んだ理由が明解なものをピックアップする。

ヴィヴィアン・ウェストウッドのお気に入りは意外に地味で可愛らしい「オン・リバティ」ニットドレス(1994年)。手編みの花のモチーフが縫い付けられている。観劇などの気取った装い、友だちとのディナーなどカジュアル用にと、自在に着こなせる。ウェストウッドにとって戦後、ハンドニットや機械編みなどあらゆるニットの方法をとにかく試みた時代を総決算させたのがこのドレスだそう。

2002年オスカー賞で受賞したアメリカ人女優ハル・ベリーが着用したこのドレスは、エリー・サーブの秋冬2001/2002コレクションから。豊かなシルクのタフェタ・スカートと繊細な網のチュールトップを組み合わせ、着用者が半着衣半裸体の印象を与えることを狙って作られた。彼女の明るい褐色の肌がドレスの赤ワイン色にぴったり合い、着る者が服を活かした見事な一例である。

今後は年に2、3回企画展を開催する予定。また、ミュージアム内に設置された教育部門は、地元の学齢の子供たち対象にワークショップや休暇中のイベントを開催、また成人には生涯教育を促進していく。自作を収集・展示するだけに留まらず、地元地域の人たちに役立ててもらうこと、またファッション及びテキスタイル学生を支援してミュージアム内での短期アシスタント制度を設けるなど、ザンドラ・ローズが蓄積してきた経験や知識を一般に還元していく。

Fashion & Textile Museum
時間:11:00~17:45(月曜日休館)
住所:83 Bermondsey Street, London SE1 3XF
TEL:+44 (0)20 7403 0222
https://www.ftmlondon.org

Text: Sari Uchida
Photos: Sari Uchida

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鈴木将弘
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