エレメント・ヴァイス

PLACE


ベア・デーメルと、カーステン・フェラーという二人組がいる。どうやら彼らは、最近マルチメディアを扱う会社を発足したらしい。ベアは学校でグラフィックデザインを勉強したが、だからと言ってどこかの会社に就職して、雇われデザイナーとしては働きたくない、という人物。一方カーステンは、商業プログラマーとして活躍後、ウェブに関連したプログラミングを再度勉強した経歴を持つ。「エレメント・ヴァイス」という名前で活動する彼ら。サイトもあるので、もし良ければこちらもチェックを。

今年二人は引っ越しをした。今までは普通の家に住んでいたのだが、今度の新居はなんとハウスボート。市が管理している、使用料無料の港に浮かぶハウスボートだ。周りにあるのは、ちょっとした水路、倉庫、そして何槽かの他のボートだけ。彼らのハウスボートが作られたのは、1924年のこと。その後、商品を船から倉庫に輸送する会社がこのボートで活動していたとか(これはまだ、コンテナーが登場する前の時代のことになる)。

ボート内の生活居住空間の広さは100m2。1階には3つ部屋があり、最初の部屋は、窓が3つに木製の壁という内装。かなり天井が高いこともあり、ここは彼らのアトリエとして使用されている。ドアの向こうに広がるのは、美しい水面だ。その隣の部屋は、何とも居心地の良いキッチン。そしてその向こうには、居間が続いている。居間にある階段を昇ると、そこにあるのは寝室だ。僕が彼らを訪ねた時、天井から下げらているランプが傾いているのに気が付いた。これはなぜかというと、その時はちょうど干潮の時間だったから。ボート自体が水底に着いてしまっている状態なので、ランプも傾いてしまうのだ。傾いているのはランプではなくボートの方。それに気付かなければ、ランプの調子がおかしいのではないか、と思わずどぎまぎしてしまうおもしろい体験だ…。

「ボートでの生活」と聞くと、何だか牧歌的な風景を想像してしまいがちだが、実は予想以上に大変だとか。2800リットルの水タンクと、1600リットルの燃料タンクがあるのだが、常にこれらの残料をチェックするのは必須。大体月に1度のペースで、他のボートがやってくるのだが、アンラッキーな場合は、シャワーが使えない時もあるとか。暖房も頭が痛い問題のひとつ。1枚壁のため、水面を通じて直に冷気が家に運ばれてくるからだ。その対策としてベアとカーステンは現在、ネットを通じて、「ODLO」というあったか下着と何かを交換できないか奮闘しているらしい。

Text and Photos: Andrew Sinn from Deco-Vision
Translation: Sachiko Kurashina

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE