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あぐら家具

PLACEText: Shinichi Ishikawa

日本を代表するインテリアの一大イベント「ハプニング展」にも参加する家具デザイナー、原ななえの「あぐら家具」。インテリア、ライフスタイル雑誌にも度々登場しているのでご存じの方も多いかもしれない。日本のみならず海外でも高い評価を得ている「あぐら家具」の原ななえさんにお話を伺った。

バックグラウンドについて教えてください。もともと東京出身で大学の専攻は油彩だったそうですが、それがなぜ北海道で家具を作ることになったのでしょう?

専攻は油彩だったのですが、そこで立体を作っていました。でも立体を作るというのは思いのほか難しくて、作っても風がふけば倒れるようなものや、上に乗れば壊れてしまうようなものしか作れずに、どうしたらいいか考えていました。卒業して就職もせずにふらふらとしながらふと思いついたのが、家具屋さんに就職すれば立体を作るノウハウを憶えることができるのではないかと、バイクで北海道を旅行中に飛び込みで訪ねた会社に、「来年の4月からいらっしゃいよ。」と言われ、運良く就職しました。それがたまたま家具の製造の盛んな旭川で、その工場は、いろいろな工程を数人で担当して最後まで仕上げるという会社だったので、凄く勉強になりました。そして、5年前に会社を辞めて独立しました。

あぐら家具について教えてください。

クールな大人のキュートな生活を提案すべく、仕事をバリバリとこなしている大人達に日々の仕事の労いという意味でも、できる限り心地の良い、贅沢な素材で贅沢な家具を提供していきたいと思っています。体を預けることのできる安定感、存在感、包容力、気持ちよくていとおしいそんなプライベートのパートナーになり得る商品を提供していきたいです。

日本的なアイデンティティが家具を製作する上でアイディアとなることもありますか?

畳に座る生活をほんとについ最近までしていた日本人にとって西洋でいうところの板の間の生活、絨毯の生活って、良く理解できていないと思います。

これまでも日本に入ってきた家具は日本流に改造され続けてきましたが、どうかと思うことはあります。例えば日本の車や飛行機の椅子はとても座り心地が悪いと思います。そのことが、心地の良い家具をつくりたいというきっかけの一つにはなっています。

ただそうやって勘違いをして進化してきた部分もファッションなどの部分では、原宿のアバンギャルドなストリートファッションなど、とても面白いとは思うのですが、日本の伝統や文化はきちんと学びたいと思っています。勘違いで進化するのではなく、きちんと把握した上で進化させるべきで、それが日本人の仕事なのだとおもいます。

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