Stefan Bruggemann “Time” Painting (detail), 2015

ハウザー&ワース ニューヨークにて、メキシコとロンドンを拠点に活動するアーティスト、ステファン・ブリュッゲマンの個展が開催される。彫刻、映像、絵画やドローイングなど幅広く扱う（時にそれらを組み合わせる）ことで、彼の作品は、テキストを用いた辛辣な社会批評とポスト・ポップの美というコンセプチュアルなインスタレーション作品を形成している。本展では、シリーズとしては継続中となる、ブリュッゲマンのサイトスペシフィックな代表作２点がギャラリー全体を覆う。

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まず１階には2009年に制作したシリーズの最新作「ヘッドライン＆ラストライン・イン・ザ・ムービー（ウォール）」（2016年）を展示。この作品は「市民ケーン」のようなクラシック映画の最後の台詞で構成されており、映画公開当時に主要メディアが掲載した紹介文のヘッドラインとともに、並んだミラーパネルにスプレーで文字が吹き付けられている。本シリーズ作品の意図は、神話をハイレリーフ化する方法で、現実とフィクションを並置することにある。それは、瞬間的なグローバルコミュニケーションと市民ジャーナリズムの時代にあって、報道メディアと映画産業の商品とは、社会に対する私たちの理解を巧みに操作し歪めながらも、この文化の欲求を反映するというパラレル状態の二卵性双生児であることを意味する。

また２階には最新のコンセプチュアル・シリーズ「タイムレス（69番街、NYC）」（2016）を展示。これは、もはや認識されないほどに溶けて抽象化してしまうまで加速し続けてきた“時間”のただなかに存在する現代社会を案じた作品である。

Stefan Bruggemann展
会期：2016年6月29日（水）〜7月29日（金）
時間：10:00〜18:00（日・月曜日休廊）
オープニング・パーティー：6月29日（水）18:00〜20:00
会場：Hauser & Wirth New York
住所：32 East 69th Street, New York, NY 10021
TEL：+1-212-794-4970
https://www.hauserwirth.com