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ヴィルジニ・ラヴェイ「私の本能」展

HAPPENINGText: Yurie Hatano

日本を活動の拠点として約6年になるというヴィルジニは、カンヌ生まれのアートディレクター。彼女の制作したビデオ映像やインスタレーションは、パリと東京で頻繁に発表され、映像、グラフィック、写真を使った作品はファッション界やデザイン界でも注目されている。今回の展示では、『人間も含む生きものの身体のしなやかさ、強さ、動作の魅力=本能』をアンド・エーのもつファッション要素にからめて演出した。

ヴィルジニのコンセプトのもと、カッティングシートアート作品を制作したフランス在住のカッティングシートアーティスト、ステファニー・モレルも初来日。ヴィルジニと同じリヨン芸術大学の出身で、ロックグループのボーカルとしても活躍する彼女も続いて作品を紹介する。聖母マリア、銃、セックスといった強いシンボルを取り上げ、それを壊すことで人間本来の美しさを表現したという作品が多く、作品に象徴される彼女の強い目が印象的だ。

オープニングの目玉として、この2人のアーティストによるワークショップが開催された。リラックスしたムードの中、プリントしてほしいTシャツなど布製のものを持ち込んだ人達が、カッティングシートアート作品を本人にその場でプリントしてもらうという企画。配られたカッティングシートは、展示作品同様、生き物や自然をモチーフにしたもの。ヴィルジニやステファニーとお話しながらできあがった作品に、こんなことならもっと良いTシャツを持ってくるんだった!という人や、着ていたデニムをその場で脱いでプリントしてもらう子も。男女年齢関係なく。

さらにコラージュは音に続く。1997年から日本に活動の拠点を置くメディア・アーティスト、フィリップ・シャトランが、20世紀から現在までの音楽の様々な要素がもりこまれた「音のコラージュ」でイベントの演出を盛り上げた。2003年、札幌JRタワーオープン記念に制作された30mにも及ぶフレスコ画を手がけたのが彼である。アンド・エー札幌店に向かう際には是非その作品も合わせて見てみよう。

しっかりしたコンセプトやデザインながら、様々な要素に対しての枠を感じさせないボーダレスさが心地よくてかっこいい。来場者からも、久々に楽しいイベント!との声を聞いた。すてきなアーティスト。すてきなスタッフ。今後もますますアンド・エーが発信する新しいスタイルやカルチャーに注目!

Virginie Lavey “My Instincts: Cut&Collage”
会期:2006年10月29日(日)〜11月13日(月)
会場:And A 札幌店
住所:札幌市中央区北5条西2丁目 ステラプレイス 2F
TEL:011-209-5315
https://www.and-a.com

Text: Yurie Hatano
Photos: Hiroshi Kotake

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