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トマム アイスビレッジ

PLACEText: Yurie Hatano

入口にある大きな雪像門をくぐり、巨大な氷の彫刻看板にいきなり目を奪われた後、白樺の木々をぬって小道を進む。幻想的な異空間へと導くのは、足下を照らす小さな氷のライティング。すると、さらなる光を帯びた透過性の高い氷のドーム群が現れる。

インフォメーションドームという最初のドームに入ると、その明るさと暖かさに驚いた。もちろん風が遮られたというだけなのだが、思わず暖房が隠れていないか探してしまうほど。中央には、訪れた人々が制作した氷のグラスが並べられていた。このインフォメーションドームを初めとして、アイスビレッジには様々な目的に応じた氷のドームや作品、空間がある。

氷のグラスは、氷のグラス工房ドーム内で作ることができた。ここには氷の作業場があり、黙々と氷のブロックをノミで削る人々の姿がある。これがなかなか難しいらしい。見事な販売用のグラスを作るスタッフも、ワイングラスの柄の部分のような高度な技に挑む時には苦戦していた。

アイスビレッジを出ると姿を消してしまうグラスであるため、多くの人が先程のインフォメーションドームの展示に自分のグラスを加えて帰るのだが、そのままの状態で全国どこにでも郵送することも可能とのこと。オリジナルの氷ジョッキで夏にビールを飲むのを楽しみに保存して待つ、なんていう人も。

自分だけのオリジナル氷グラスを作るここでの目的は、隣のドーム、アイスカフェにあった。逆にいうと、このカフェで出されるカクテルは、氷グラスを持ち込まなければ楽しむことができない氷のグラス工房から、自分の氷グラス(もしくは購入した氷グラス)を大事そうに抱えた人々が、そのままアイスカフェに流れ込み、バーに並べられたリキュールを選んでバーテンスタッフに注いでもらう。もちろんテーブルや椅子はここでも氷。注がれた色とりどりのカクテルがクリアな空間に映える。同じカクテルでも、グラスによったオリジナルな味がするに違いない。

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チーヤン・チェン
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