今回、ロンドンと香港の特集にされたのは何故なのでしょうか？

一つは香港返還、あとロンドンはやっぱり今とても面白い。香港のクリエイターも凄く気になっていて。で、面白いのは香港のクリエイターって全然ロンドンを意識していない、香港の人は基本的に日本を意識しているんですよ。インタビュー中にもあるように好きなのはイッセイミヤケだったり坂本龍一だったりする。日本のファッションはどうだ、日本のキャラクターグッズがどうだとか、そういう話しか出てこない。で、ロンドンの人は全然香港を意識していなくて、やっぱり日本を意識している。そこが面白いな、というのはあって。

ロンドン、香港取材はいかがでしたか？

面白かったですよ、香港は１日に５つ取材、という強行スケジュールだったんだけれども。ロンドンも楽しかったです、「DAZED & CONFUSED」なんてロンドン郊外に越して、体育館みたいなスタジオになっていましたよ。フローリングの床を開くとハシゴがあって、地下にデザイナーはいましたね。何やっているのかと思ったら、ロンドンのABCマガジンのロゴを作っていて、『アルバイト、OKなんだ。』って（笑）。

「WALLPAPER」はロンドンのサブカルチャーシーンでは受けが悪いみたいでしたね。バックボーンが大きいのでいきなり大手でガーンと出して、洒落ていて… ロンドンってアンダーグラウンド強いでしょう、DAZEDだってアンダーグランドシーンから出てきたものだし、WALLPAPAERはデザイナーがウイーンにいて、ヨーロッパでも部数を伸ばしているもんだから、反発があるみたいです。僕自身はWALLPAPERのテイストは好きですけどね。きれいで、お洒落で、日本人のテイストには合うと思う。

日本のアーティストはとりあげていくのでしょうか？

次は日本とアメリカ、そして映像グラフィックの特集になると思います。次号は12月か1月になると思います。

日本で気になるアーティストはどんな方でしょうか？

東京だとヒステリックグラマーの北村（信彦）さんですね。あともう一回改めてグルーヴィジョンズ、ピチカートファイヴまわりが気になりますね。ピチカートファイヴは信藤（三雄）さんと、グルーヴィジョンズと、小西（康陽）さんがリンクされているとしたら、僕は小西さんの作るグラフィックというものにとても興味があるんですよ、小西さんの作るビジュアルに。小西さんは以前ビサージュっていう「MEN’S BIGI」が出してた出版物の編集をやっていたりしたと思うんだけど、やっぱり大変な編集者だと思うんですよ。彼をクリエイターとしてとらえている人が少ない様な気がして、、、音楽も作り、編集もできるし、原稿も書けるし、ビジュアルも作れる、マルチに活躍しているからやっぱり気になります。同じ意味でヒステリックの北村さんも、写真のディレクションもできて、ファッションもグラフィックもパーフェクトにできて、、、だから東京はその二人が面白いですね。

日本で注目している編集者はいらっしゃいますか？

「COMPOSITE」をはじめた菅付（雅信）くんは面白いですね、写真もグラフィックの事も詳しいし、常に新しい人を起用しているし。

アートディレクター、カメラマンで注目している人はどうでしょうか？

やっぱりタイクーングラフィックスですね、ウマイです。ずっと凄いと思います、ここまできてもやっぱり凄い。
カメラマンは、僕はニックナイトが大好きなんですよ。ヨウジヤマモトでやっていたニック・ナイト、あれを超すものはないくらいに思ってますね。日本人の若手ではやっぱりホンマタカシかな。カメラマンは最近若手が出てきてないですね。

+81のスタッフの方はどういう方がいらっしゃるのでしょうか？

編集は僕と、山下がクリエイティブディレクターをやっていて、後は全て外注です。僕のほうで大体はやるのですが、最終的には社長である山下と一緒にああだこうだといいながら決めています。僕がもっていない部分を山下がクリエイティブディレクターとしてディレクションしてくれています。
外部スタッフでかかわってもらった人たちは、、、ロンドンの渡部さんはずっとロンドンに住んでいた女性です、あと「RCA」（ロイヤル・カレッジ・オブ・アート）在学中の女性とかに手伝ってもらって。香港は香港の芸能界に強いコーディネーターの女性に手伝ってもらいました。

+81がターゲットにしているのはどんな人たちですか？

クリエイティビティに興味のある人、クリエイティブすることを面白いと思う人、なんでも境界をとってしまって、クリエイティブする事に楽しみを見だす人、に向けて次も続けていきたいですね。

海外でも販売されていく予定なんでしょうか？

今、調整中です、これから香港に置かれる予定です。ロンドンも今、交渉中です。