マイアミ・ペレス美術館

PLACEText: Victor Moreno

キューバ系アメリカ人億万長者、ホルヘ・ペレスの名を冠した美術館「マイアミ・ペレス美術館」(通称:PAMM)が2013年にオープンした。この現代美術館は、マイアミの美術愛好家たちが長年求め続けていたもので、マイアミ市が土地を提供、マイアミ・デード郡が1億ドルを負担し、残りを民間の寄付でまかなっている。

PAMM Bay Dusk photo By Robin Hill (C)
Pérez Art Museum Miami, Bay at dusk. Photo: Robin Hill

美術館の開設にあたり、マイアミ美術館協会(MAM)は、建物のデザインをプリッカー賞を受賞したスイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンに依頼した。美術館が持つ、すべての人に開かれた、学びに溢れる公共空間としての役割を、最先端で持続可能な建築デザインを通して表現するためだ。

2060年までに海面が2フィート上昇し、マイアミビーチの西側半分が海の中に沈んでしまうという海面上昇の可能性から、2013年以来マイアミとサウスビーチでは、都市計画による再開発が行われてきた。マイアミ行政によると、この都市計画で公園、保養地、緑地空間、公共投資、そして2020年へ向けた将来的な土地利用指針を改訂する計画となっている。その指針に基づき、この三階建ての建物は高台の上に建てられ、キャノピーで覆われており、美術館の壁をはるかに超えて広がるこの空間が、シェードのあるベランダと広場を生み出した。ヘルツォーク&ド・ムーロンは、斬新かつ革新的な方法で美術館の中に公園を持ち込んだのだ。

Sarah-Oppenheimer
Installation view: Sarah Oppenheimer: S-281913, Pérez Art Museum Miami, 2016. Photo by James Ewing

また、ヘルツォーク&ド・ムーロンはより良い空間展示を実現するため、美術館と共同で作品展示に関するガイドラインを開発した。彼らが開発したこれまでとは異なる展示様式では、作品は非直線状に配置される。この展示方法により、観客はコレクションと物理的な空間との間に、自分自身だけの地図を自由に描くことができるようになったのだ。そして1階と2階には常設展を、その後方には特別展を展示。建物の中には自然光を多く取り込み、美術館を取り囲む公園や海岸の景色を眺めることもできる。さらに、取り囲まれた空間の中に外向きの展示スペースを交互に設置することで、それぞれの題材により集中できるようにした。

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