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楳心果

古代の菓子。それは「果子」という、天然の果物であり木の実であった。そんなお菓子の原点を今に表現し、和菓子の新たな可能性を追求してきた「SIMPLICITY」のさらなる和菓子のスタイル、「楳心果」(ばいしんか)は、究極の日本の美学をあらゆる角度から再解釈し、表現された和菓子屋だ。

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都立大学駅前の喧噪を離れた静かな住宅街の中に佇む、緑の木々が眼に鮮やかな一軒家。凛とした門構え。古めかしい錆びた門。紅柄色(べんがらいろ)ともいうような銅色に、庭の緑が“侘び、寂び”をそこはかとなく想起させる。

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立派な日本家屋のアプローチに、周囲から断絶されたかのような非日常感と緊張感に包まれ、石段を上がると、民家を改装したモダンな「楳心果」の全景が一枚絵のように現れる。神代木(埋もれ木)の独特の深み。その深みのある色合いと漆喰の白さがもたらすコントラストが美しい。そして、現代的に解釈した格子の連続性と松の木。

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店舗の左手に「楳心果」のお菓子売り場、右手に茶房がある。上生菓子にみられる斬新なポーション、素材の組み合わせ、色合い。日本の伝統文化である包む・折るというスタイルを、現代のギフトスタイルにまで昇華させたパッケージ。それらは和菓子の印象を強く塗りかえ、現代のライフスタイルに寄り添うように生まれた。

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茶房では甘味の他に、朝の膳、昼懐石などゆったりといただける食事も用意され、オリジナルの器などで供される。穀物の食文化を意識した粒食・粉食や発酵食、季節毎の上生菓子同様、お酒にも季節感を取り入れたオリジナルの香味酒など、こちらでは食する和を温かいおもてなしで堪能できる。

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「楳心果」では漂う空気感、流れる時間、手に触れるもの、口に入れるもの。そのすべてに「本物であること」を表現したという。そして、そこにはただただ古いものということではなく、日本の素材だけでもなく、温故知新のようなバランス感覚を細部に宿しながら、新しい日本文化の創造を表現しているのだということに、訪れた者は気づかされるだろう。日本人であることが誇らしい、そんな想いを抱かせてくれる場所でもある。

楳心果(ばいしんか)
住所:東京都目黒区八雲3-4-7
営業時間:9:00〜17:00(火曜定休)
TEL:03-5731-1620

Text: mina

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