淡路島アートセンター

PLACEText: Jo Phirip

山口さんいわく、すぐにでも淡路島はアートの島になると気楽に考えていたが、これがなかなか大変で、生活そのものに入って行くこと、異業種の人たちとの連携の必要性を感じ、いまはひたすら頑張っているとのこと。

淡路島アートセンター
タマネギプロジェクト

2007年、山口さんはタマネギプロジェクトと題してタマネギ92個の里親になり、育てて食べるまでの作品を作った。私も里親の一人になったが食べる会に行った時はあまりの美味しさと、場の空気の独特さでとても楽しい経験をさせてもらった。専属アーティストには、フィッシングダイアリー、布団職人の作家、ミュージシャン、イタリア料理の職人などがいる。

淡路島アートセンター
日の出亭、久保拓也「おばちゃんと押し車」2007

更に地元の特産のたまねぎを使ったイベントや、近所のおばあちゃんのぼろぼろの乳母車をみて、新しいものを作ってあげる作家、日の出邸にお風呂の作品(実際に使える)を作り続ける作家など、とにかくユニークで、パワフルである。

淡路島アートセンター
日の出亭のお風呂

今回のフォーラムでは、北海道から沖縄まで、全国のアートNPOの人々が集ってきており、昼間は色々な議論を交わしていた。日本の各所にて面白いことが行われていることを実感した。

フォーラムでは、企業のメセナ関連の人の話で地域との関わりが深い団体は多いが、意外と企業や学校と関わっている所が少ないとの話、地方のアートNPOの話で、いつも都会の楽しい場所に行きたいと思っていたがアートNPOを作る事によって、この街にいる目的や楽しみができたという話が心に残った。その土地が好きだからそこでアートNPOを作ったのだろうと思っていたので、意外で驚いてしまった。

また、交流会で淡路島の伝統芸能の人形浄瑠璃が演じられた時に、人形の台詞で『皆さんはアートNPOとかでとても苦労されているらしいですが、、』というものがあり、皆がどっと笑ったのをみて、ああ、色々大変なんだな、だけどきっとすごく好きなんだろうなと実感した。

参加者たちは、淡路島アートセンターの色々な企画を体験して、とても楽しそうだった。なぜ私がここのアートシーンに魅かれたのか?それはきっと人を幸せな気分にさせるアートだからだろうと思う。是非あなたも、淡路島のアートと観光を兼ねて出向いてみたらどうだろうか?

淡路島アートセンター
住所:兵庫県洲本市本町8-4-11
TEL:090-5066-4604(洲本市民工房内事務局)
https://awajishima-art-center.jp

Text: Jo Phirip
Photos: Photos: Takuya Kubo, Courtesy of Awajishima Art Center

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