ジーボ

PLACE

今年2月初旬、イラストレーターとしてしられるジュリー・ヴァーホーヴェンがファッション・デザイナーとして初の店、「GIBO(ジーボ)」をオープンした。創造性豊かな春夏2003コレクションが店内に並ぶ。

メドウェイ・カレッジでファッションを学び、ジョン=ガリアーノのもとでイラストレーターとして4年間働いた後独立したジュリー・ヴァーホーヴェン。フリーランスとして地道に制作を続けていくうち、2001年に転機が訪れた。マーク・ジェイコブが彼女にデザインを依頼したルイ・ヴィトン・バッグコレクション4種(各100点ずつの限定版)が、順番待ちリストがあっという間に埋まる程の人気を見せたのだ。


ちょうどその頃、自社名を掲げたコレクションを起こすべく新しいデザイナーを探していた、GIBO(ジーボ、イタリアに本社を持つ)の会長フランコ・ペネにこの話が伝わった。ヴァーホーヴェンが純粋なデザイナーではなくアート畑から出て来たことがポイントとなり、トントン話でことは運んだ。コンドウィット・ストリートにオープンした店「GIBO(ジーボ)」はペネと建築家のシェリー・ヨ−、そしてヴァーホーヴェンが力を合わせた結晶である。

ウィンドウにはまるでガリバーの国を思わせる巨大なカセットテープと絵の具のチューブが飾られている。入ってすぐ左手には「シュ−ウォール」と呼ばれる、長さ6.5m程のコンクリ壁がある。プラスチック製の釘が打ち込まれ、幾何学形態のデザインが施された靴(上靴部分:布製。199ポンド〜)や真っ赤な革靴(219ポンド〜)が掛けられており、全体がひとつのインスタレーション・アートの様。

奥に進むと天井がガラス張りの空間が現れ、店内に自然光が降り注ぐ。ここに昨年9月のロンドン・ファッション・ウィークでデビューを飾ったジュリー・ヴァーホーヴェンのコレクションが並んでいる。彼女の言葉を引用すると、「カラフルで明るく、アップビート。若々しさからセクシーまで」幅広く手掛けたコレクションはかなり個性的。70年代のコミック『ミスティ』からインスピレーションを得たという女性のイラストがプリントされているシャツ(290ポンド〜)や、貝殻の形をしたアップリケが襟元についたピンクのブラウスなどもかわいらしい。配色もアーチスティックでホワイト、ブラック、ピンク、パープル、グリーンが主体である。

また、店内あちこちに見かけるのが半身像のマネキン達。手足はなく、頭とトルソだけの彼女達はバーホ−ベンのコレクションを身にまとう様子はなく、イラストに登場する女性達を立体化したようなアート作品として置かれている。

イラストレーターからファッション・デザイナーに華やかな転身?と思いきや、ヴァーホーヴェンは今後もイラスト制作を続ける予定。それを反映しているのが、店内向かって右側にある長さ14mの壁。歴史を重んじるイタリア人経営者らしく、この店のこれまでの歴史(以前はアレキサンダー・マックィーンが入っていた)を生かすことがコンセプト。剥がれた壁紙やビルダ−が残した手書きのメモに、バーホ−ベンの大きな瞳をもつデカダンスな女性たちとファビオ・アルメイダ(彼女の夫)による幾何学形態が美しく融合し、新たな歴史の層を加えている。

次のコレクションはもっと大人びたものになるという。ギャラリーのようなこのショップ、眼が離せなさそうだ。

GIBO
47 Conduit Street, London W1S 2YP UK
Tel: +44-20-7734-2340
Fax: +44-20-7734-2344
Open: 10:00-18:00 Closed: Sundays

Text and Photos: Sari Uchida

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