エキスポMRT駅

PLACE

MRT(マス・ラピッド・トランスポート)(フランス・メトロのシンガポールバージョン)をシンガポール・エキスポ駅で降りると、スペースシャトルの中に入ったような気分になる。MRTで広がりつつあるシンガポールのネットワークだが(チャンギ空港駅を含む新北東線の工事がすでに始まっている)、この最も新しい線の延長によって、乗客は滑らかなラインと過激な形に出会うことになった。

駅につくまでの間、エキスポMRT駅のユニークな形に感銘を受けることだろう。駅のてっぺんには、直径38mのステンレスのディスクがあり、長さ200mのチタンの豪華なドームが駅を覆う。三角形に切り取られた、おびただしい数の鏡状のステンレスパネルによって縁取られ、驚くべきコラージュが創り出された。日中も夜間も、乗客、光、植物、みかげ石の床、高速の電車、興味をそそるビジュアル/オーディオディスプレイを映し出す。


戦略的に位置付けられた出口、電話ブース、その下にあるチケットマシーンを、駅の目玉であるディスクが見下ろしている。従って、外見と利用者の循環という両方の点で、ディスクは活動の中心を作り出している。このディスクに対する注目を高めるためにど真ん中に位置する、ガラスと金属のみでできたエレベーターが、「ビームでどこかに飛んでいく」という概念に、新しい感覚をもたらしている。

2階に降りると、外に水平に置かれた金属のグリルが、ドームとその上の鏡に映し出されたものとの、直線と曲線による見事なコントラストを形成している。プラットフォームとその上に横たわるベンチの幻影を生み出しているのだ。

ガーデンシティとして、植物もこの建築にちゃんと存在している。1階の内部には、トロピカルガーデンがあり、潅木や椰子が、駅との境界にうまく配置されている。そうした植物は、目を楽しませてくれるだけでなく、熱や照りつける光をやわらげるフィルターとしての役目も果たす。解放された空間と、熱帯という位置から、このトロピカルな建築のために考慮された要素がある。壁の代わりにグリルを設置したことにより、バリアを持ちつつ空気循環を最高に高めることに成功している。そしてチタン加工されたドームにより、太陽光線を跳ね返し、気温を3℃から4℃下げている。このドームは、日陰をより多く作り出し、熱を下げながら、電車のプラットフォーム側を覆うという機能も持っている。こうして、利用者に心地よい空間を提供しているわけだ。

この駅は、(最新テクノロジーのエキシビションも含む)たくさんのエキシビション、フォーラム、コンサートを開催するコンベンションセンターであるシンガポールエキスポのゲートだ。コンベンションセンター自体は、大規模で洒落た建物で、未来派の理想的要素を盛り込んでいる。宇宙船のようなエキスポMRT駅は、コンベンションセンターへ人々を導く場所だ。未来をちょっと覗くために。

今はまだ、未来行きの停留所は電車の通り道。

Text and Photos: Fann ZJ From npsea Enterprise
Translation: Naoko Ikeno

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