イーリー・キシモト

PLACE

華やかで個性的なプリントを生み出す夫婦デザインユニット、マーク・イーリーと岸本若子こと「イーリー・キシモト」が、初のアーカイブ・ストアをオープンした。


緑が生い茂る南ロンドン・バーモンジー地区に建つ、ダーク・チョコレート色の店先。中では壁紙から食器、家具、靴そしてもちろん洋服まで、「イーリー・キシモト」の世界が広がる。

ストック整理という実用的な理由と、今の彼らのデザインしか知らない人に、過去の作品(99年春/夏以降)を紹介する目的で誕生した、このアーカイブ・ストア。店に入ってすぐ右側のレールには、新コレクション「ダンシング・ガール」がずらりと並んでいる。服は着る人を選ばない、ここでしか手に入らないものばかり。Tシャツを大量に買い込む若者もいれば、20代後半から30代前半の大人の女性客の姿も多いという。友だちの結婚式に招待された女性がパーティドレスを探しに来たことも。過去の作品も最新コレクション同様に貴重で大切で、デザインも特別な物であることから相応な値段をつけている。品物によりその週だけ一定価格にするなど、値下げ品は限定している。取材で訪れた時は、ウィンドウのスーツケースの中に山積みの「ランドスケープ」シリーズが、スカートやトップなど、類を問わず全て1品40ポンド(約8000円)でオファー中だった。

服の他にも身の回りに置けるようにと、独特のプリント柄は、ソファやテーブルの生地、食器にもみられる。超日本的でも超イギリス的でもなく、程よく個性がミックスした彼らの発想の源は、日常生活にある。そこから印象を受けたものを自分達の中に取り込みデザイン化している。家具は店の空間の持ち主である家具デザイナー「ティピカル」(こちらも2人組)や大阪を拠点とする「グラフ」との共同制作によるもの。また、過去には「グローブトロッター」と提携してスーツケースなど旅行バッグを作っている。

学生の時、ワーク・エクスペリエンス(将来働きたい業界の仕事を実際の企業で数カ月体験するシステム。学科の必修科目であることが多い)で滞在したニューヨークで出会ったのがきっかけ。2人ともファッションを学び、イーリーはイギリス南西部の街ブライトンで織物の学士号を、岸本はロンドンのセント・マーチンズにてプリントの学士号、そして修士号を納めた。2人ともテキスタイルの基盤をしっかり築いていることが彼らの作品でも、何ごとにも対応できる柔軟さを与えている。

今後店鋪を増やす計画は今のところない。6月にオープンした当初は、9月末までのわずか3ヵ月だけの予定だったが好評な為、しばらく続ける可能性が出てきた。でもいつ頃までかは未定なので、イーリー・キシモトのあのデザインを欲しい人は、いまのうちに!

イーリー・キシモト アーカイブ・ストア
会期:2003年6月14日〜9月末
住所:40 Snowfields, London, SE1, UK
時間:木〜土 10:30〜18:30(日〜水休)
TEL:+44-20-7357-0037

Text and Photos: Sari Uchida

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