ブリンケンライト

PLACEText: Andrew Sinn

ベルリンがまだ東と西に分かれていた頃、アレクサンダープラッツは、東のショッピング街だった。そこにある「アレックス」の愛称で親しまれているラジオタワーは、今のベルリンそのものと、急速に発展した地域の象徴となっている。そのエリアには、社会主義を感じさせるクールなビルが立ち並ぶ、だがしかし、この有名な場所の不動産投機によって、このビル郡の未来がどうなるか知る由もない。

カオス・コンピューター・クラブは、コンピューターや、コンピューターが人と社会にに及ぼす効果のような、テクノロジーで起こりうるチャンスとリスクについて取り扱っている団体。今年は創立10周年を迎え、アレクサンダープラッツにある、「ハウス・オブ・ティーチャー」と呼ばれるビルを使い続けていることに祝杯を上げた。全ての窓という窓に、コンピューターに接続されているランプを付けることによって、このランプを18×18ピクセルのスクリーンとして使えるのだ。このスクリーンは今、ファンキーなアニメの映写に利用されている。僕が初めてこれを見たのは、ちょうど、アレキサンダープラツから地下鉄に乗ろうとしていた時だった。クリスマスマーケットが開催されており、プレゼントを買い求めたり、ソーセージを食べながら休憩をとっている人でごった返していた。そんな中、私は左右に動いたり、時々驚いたように微妙に動く巨大な目をスクリーン上に見つけたのである。

スクリーンには、嘘の選挙結果を伝えるテキストメッセージから、落ちてくるテトリスブロック、おかしなスポーツおたくや、『リナックスはロックだ!」といった声明まで、多種多様のアニメーションが映し出されていた。しかし、これが全部ではない。「0190 987654」へ電話をかけると、瞬時にスクリーンがゲームのやり方を説明する画面に変わり、「ポン」ゲームで遊べるのだ。電話機のボタンで「パドル」を操作、5を押すと上へ移動、8を押すと下に移動する。2人で遊べることも可能である。

更に、「ブリンケンペイント」という名の小さなソフトウェアを使って、自分でアニメーションも作ることができる。例えば、好きな人の為にハートを何個かアニメにし、アレクサンダープラッツで、彼女/彼氏なりと待ち合わせをする。そしてそのあらかじめ制作しておいたアニメを流すのだ。素晴しいアイディアだ!

Text: Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Andrew Sinn

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