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企画展「THE ORIGINAL」

HAPPENINGText: Alma Reyes

1930年代から40年代の大戦を経て、デザイナーは素材の安全性とそれを検証する実験を重視せざるを得なくなり、これらは、アルヴァ・アアルトの「アルヴァ・アアルト コレクションベース 160mmクリア」(1936)、マリメッコの創業者アルミ・ラティアの「ティイリスキヴィ」(デザイン:1952)、レゴの創業者オーレ・キアク・クリスチャンセンのレゴ®ブロック(1949)、フィン・ユールの「FJボウル」(1951)などのスカンジナビアのデザインや、フェイ・トゥーグッド(イタリアの家具メーカー、ドリアデ)のカラフルなふっくらした椅子「ローリー・ポーリー」(2018)などに見られる優れた職人技の屋台骨となっている。


ギャラリー2 会場風景 「ローリー・ポーリー」フェイ・トゥーグッド (2018)イタリア ドリアデ 撮影:木奥恵三

とりわけ1950年代のアメリカ社会では豊かさが花開き、それによりプロダクトの工業化がさらに推進されたが、1960年代から70年代にかけて、ポップカルチャーの全盛期にはモダニズムに対する反発が強まり、個人の嗜好が尊重された。1980年代から90年代にかけて、イギリス出身のジャスパー・モリソンがこの哲学を引き継ぎ、形態や素材を再解釈した。


ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

「酒を飲む人の椅子」と呼ばれた赤い鋼管の椅子にはドリンクホルダーとして使用するために各腕の端にプレートがついている。モリソンは後にこの椅子を深い思索を助けることを企図するかのように「シンキング マンズ チェア(考える人の椅子)」(1988)に改名した。モリソンのもう一つの人気プロダクトは、彼のムーン・ダイナーウェアコレクションの「ムーンティーポット」(1997)である。柔らかに丸みを帯びた幾何学的なハンドルがクラシックな曲線とシームレスに調和する。


ギャラリー1 会場風景 「ランパス」佐々文夫(1958) 撮影:木奥恵三

日本のモダニズムは、丹下健三、菊竹清訓、磯崎新の建築におけるシンボル性から、倉俣史朗、内田繁の商業インテリアに至るまで、発展していった。また、ジョージ・ナカシマの「グラスシートチェア」(1944)、佐々文夫の「ランパス」(1958)、剣持勇の「ラタンチェアC-3160」(1960)、ホンダの木村讓三郎がデザインした「スーパーカブ」(1958)、そして民藝運動の父、柳宗理の台所用品セット(グリルパン、蓋なし(2002)、レードル、フォークレードル、スキンマー、バタービーター(1997))などの素晴らしい名品は、とりわけデザイン革新における日本の美学に多大な貢献を果たした。

実際の作品や拡大された写真パネルを用いてダイナミックにディレクションされた「The Original」は、デザインの歴史と発展を紹介する最も包括的な展覧会の一つであり、未来のすべてのクリエイターを間違いなく鼓舞する。

“The Original” Directed by 土田貴宏
会期:2023年3月3日(金)~6月25日(日)
開館時間:10:00~19:00(最終入館18:30)
休館日:火曜日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー 1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6
入場料:一般1,400円/大学生800円/高校生500円/中学生以下無料
TEL:03-3475-2121
https://www.2121designsight.jp

Text: Alma Reyes
Translation: Yuko Shimohara
Photos: Alma Reyes
Additional Photos: © Keizo Kioku, Courtesy of 21_21 DESIGN SIGHT

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