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「レコードジャケットの写真とアート」展

HAPPENINGText: Victor Moreno

フォトグラファーズ・ギャラリーは、英国で写真に特化した初めての公共アートスペースである。2012年、ロンドンのソーホーにギャラリーを再開して以来、かつてテキスタイル倉庫だった同じ建物に今もある。より最近では、ギャラリーは、ドイツ取引所写真賞バーツアー・フォトブック・アワードの拠点となっている。

ドイツ人のフォトグラファーでフランシス・ウルフは、プロデューサーであるアルフレッド・ライオンと共にレーベルを立ち上げた。おそらく、ジャズ音楽でもっとも重要なレコード会社であるブルーノートの目録をメーンストリームから前衛アーティストまで間接的に作り上げた。ウルフは、アーティストら全員を撮影し、セッションのレコーディングを記録するか、ニューヨークのロウアーイーストサイド辺りで散歩するか、していた。目録は、タイムレスな音楽やマイルス・デイビスのアップのポートレートなどのジャケットも含まれている。

リチャード・アヴェドンの黄金の1960年代。彼の最初のアルバムジャケットは、1958年のビセンテ・エスクデロのジャケットである。それ以降、彼は、60年代からアイコンのほとんどを撮影した。ジョン・レノンやザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、ティナ・ターナー、フランク・ザッパやさらに多くの人々。不思議なことに、アヴェドンの作品の主要部分は音楽が起源ではなく、それどころか彼は、ヴォーグやタイム誌、ニューヨーク・タイムズのようなファッション雑誌にフォトグラファーとして主に活動していた。


Vinyl: The Rolling Stones, Exile On Main Street, Rolling Stones Records – COC 6910, England, 1972. Photography: Robert Frank © The Andrea Frank Foundation ; Design: John Van Hamersveld/Norman Sieff

ヒプノシスのストーム・ソーガンとオーブリー・パウエル。アートデザインスタジオのトレードマークである。ソーガンは、ケンブリッジでロジャー・ウォーターズに出会い、ピンク・フロイドのセカンドアルバム「A Saucerful of Secrets(神秘)」 のデザイナーとなった。これが、バンドのキャリアに渡って続いたコラボレーションの引き金となった。デザインデュオのキャリアは、クラシックを次から次にデザインし、1970年代さらにより多作となった。前衛音楽グループ、スロッビング・グリッスルのかつてのメンバー、ピーター・クリストファーソンは1970年代前半に二人に加わり、スタジオのもとのサイケデリックな方向性にインダストリアルなひねりを与えた。ピンク・フロイドの「The Dark Side of the Moon(狂気)」やレッドツェッペリンの「Houses of the Holy(聖なる館)」はスタジオのより有名な作品の二つである。「House of the Holy」のようなリピテーションや合成写真は、芸術分野の特徴となった。ピンク・フロイドの「A Momentary Lapse of Reason (鬱)」は浜辺に続くベッドの光景を描写している。これは、オリジナルの写真は40台の本物のベッドを使用し、残りは、厚紙の切り抜きだった。


Vinyl: The Rolling Stones, Love You Live, Rolling Stones Records COC 2-9001, USA, 1977. Photography & Design: Andy Warhol

キング・オブ・ポップアートになるまでに、アンディ・ウォーホルは、多くの異なるアート技法を探った。1950年代前半、彼は、ブルーノートとのコラボレーションで活動を開始した。そこでは、ジャケット全面に遊び心のある大きな「MONK」というタイポグラフィーだけを使ったセロニアス・モンクの初めてアルバムカバーを製作し、ジョニー・グリフィンのものはタイポグラフィーとイラストのみの作品となっている。彼が作った最もアイコニックなアルバムジャケットは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのバナナの作品や、ザ・ローリング・ストーンズのシルクスクリーンがある。このフォーマットが、プレス機械や異なるインクの種類、シルクスクリーンプリントを探求するという新しい手段をアーティストに提案したことは興味深い。前述のアイディアの場合、アルバムジャケットは、実際にジーンズのジッパーをめくると下着が現れる仕掛けが含まれていたが、その当時、実現性とコスト高のために、ジャケットはプリントのみとなった。その後、アンディ・ウォーホルとミック・ジャガーは新しいレコードジャケットでポートレートとドローイングの組み合わせで共作した。またウォーホルはジョン・レノンやアレサ・フランクリンなどの他のアーティストたちとも同じ技法を適用した。芸術分野を組み合わせた彼の特徴的なミックスドメディアは、今日、現代アート作品の最もアイコニックな存在となっている。

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