A.B.O. 劇場. 芸術か生活か

HAPPENINGText: Ilaria Peretti

展覧会は、3つの連なる研究軸で展開されており、互いに交わり、関連し合っている。一つ目は評論家の展示活動を研究している。1996年にナポリのガイド・ブックショップ/ギャラリーでピーノ・パスカーリとレナート・マンボールの作品で行われた一番初めの展覧会から、「アートの部族」(2001)や「日曜日のジーノ 不滅」(2010)のより最近のものまで。彼が過去にキュレートした展示会の一部アート作品はここでも展示されている。ピーノ・パスカーリ作「唇の接写」(1965)、ファビオ・マウリ作「月」(1968)、ミケランジェロ・ピストレット作「無限のメトロキューブ」(1966)、ナム・ジュン・パイク作「TVブッダ デュシャン・ボイス」(1989)など。ボニート・オリヴァは、明らかに、20世紀後半の最も重要なアーティストらと活動的な関係を築き上げている。


Installation view of the exhibition A.B.O. THEATRON. Art or Life with artworks by Renato Mambor, Nunzio, Mimmo Rotella, Mario Schifano, Sandro Chia and the video directed by Gus Van Sant and Alessandro Michele, Courtesy of Gucci
, Photo © Antonio Maniscalco, 
Courtesy Castello di Rivoli Museo d’Arte Contemporanea, Rivoli-Torino

一方で、続いての研究軸は、彼のプライベートな領域をまたがって彼の論理的文書の起源や進化を探求している。彼は、1960年代、グルッポ63のコンテストで視覚的詩を扱うことを始めた。しかし、すぐにビジュアルアートに取り掛かり、そこで彼はより刺激を感じた。評論家でアートキュレーターのハンス・ウリッヒ・オブリストとのインタビューの中で彼は述べている。『私は、評論家はエッセイの執筆だけでなく「展示の執筆」も実践していかなければならないと考えている。それは展示会を通して論理的思考を展開する一つの方法で、構築と社会的主体との縮尺比である。』それは、評論家は書籍やエッセイを言葉で書いているが、アート作品を使って社会的空間を書き、批判的な状況で公共を手助けしていることを意味している。


Installation view of the exhibition A.B.O. THEATRON. Art or Life with artworks by Gilberto Zorio, Alighiero Boetti, Marcel Duchamp, Nam June Paik and posters, 
Photo © Antonio Maniscalco, 
Courtesy Castello di Rivoli Museo d’Arte Contemporanea, Rivoli-Torino

最後は、三つ目の研究軸でイタリア人評論家の「行為遂行的な」範囲を態度と姿勢と共に研究している。それは、ボニート・オリヴァの公共プロフィールを描くことに寄与している。ラジオや映画、テレビでの彼の存在だけでなく、新聞や雑誌への数えきれないプロジェクトは彼自身のパーソナリティーのリアルな熱狂を定義付けている。そして、彼をありのままに描写している数十のスクリーンや写真、すなわち皮肉で自己批判的な姿勢を展開している展示会では、跳ね返った公共の姿として彼の自律的な規模を確立している。


Guardian Angels, Photo 
© Valentina Sommariva, 
Courtesy of GUCCI

ボニート・オリヴァは、言語の複雑な文化的アイデンティティーと現代のアートシステムを定義している批判の行為遂行的な解釈を任せられているクリエイティブな才能を持った中心的人物である。

彼の人生を通して、最も風変わりな側面でさえこの展覧会の中で、私たちはクリエーターとオブザーバーとの本質的な繋がりを潜在させながら、アートを作る人、同様にそれに立ち会う人に芸術は驚きをもたらすという考えをより身近なものとさせている。展覧会全体は巨大な劇場で美術館員もまた役を演じている。事実、この時のために、メインスポンサーのグッチは展示会に来場者をお迎えするミュージアムアシスタントにセージグリーンの制服を提供している。

A.B.O. THEATRON. Art or Life
会期:2021年6月25日(金)〜2022年6月26日(日)
時間:11:00〜19:00(月〜水曜曜日休館)
会場:リヴォリ城現代美術館
住所:Piazza Mafalda di Savoia, 10098 Rivoli, Torino
TEL:39 (0)11 9565 222
https://www.castellodirivoli.org

Text: Ilaria Peretti
Translation: Moeko Noguchi
Photos: Courtesy of Castello di Rivoli Museum of Contemporary Art

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