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ボール・ピヤラック

PEOPLEText: Victor Moreno

1991年、ジム・トンプソンの支店で見習いとして働いていた時、大学院に進学する機会が訪れた。当初は教える側として応募したが、結果、奨学金を得て、バンコク大学(海外校)美術・応用芸術学部で学び続けることになったのだ。その後、世界中さまざまな大学に応募したところ、ニューヨークにあるロチェスター工科大学(RIT)のコンピュータグラフィックスデザイン学科に決まり、修士号を取得した。


I am Bravier Than Vanishing, from Pin Cushion Series, 2019, 11.5 x 17 x 20 cm, Secondhand plastic lamp shade, military miniatures, doll part, acrylic knitting yarn, 12 silk pins © Ball Piyaluk

アーティストとして、また人類愛のために、同じくアーティストのトイ・ノプチャイ・ウンガヴァタナポンとともに、1998年にアーティスト集団「社会への意識」(別名:ナッツ・ソサエティ)を共同設立。学ぶこと、教えることを愛する彼女は、「グラフィックデザインによるパッケージング」を含むビジュアルコミュニケーション作品や、「広告」などの論文や本を出版している。また、「広告:解読を促す神話」、「視覚芸術の批評:学者の思考」などの論文も発表している。2016年には、シラパコーン大学で博士課程に進むことになった。


Only Love Can Make Him Wag His Tail, from Loved and Gone Series, 2020, 5.5 x 17 x 9 cm, Wooden hair brush, toy dog, doll accessories © Ball Piyaluk

デザインアートに関する仕事がますます増えていったため、海外の有名大学にも講師として招かれ、アジアにおけるデザインアートの分野で、女性の地位向上を訴えるために公の場にも立った。ビブハサジャーナルに掲載された彼女の論文「ゲリラガール:アート界の不思議な女性たち」は象徴的なものとなった。

彼女を追悼し、ここにアンノウンアジア2021のSHIFT賞として記録を残したいと思う。

Text: Victor Moreno
Translation: Ayumi Sugawara

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