デザイナート トーキョー 2021

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

会期中には10月25日から28日にかけて、アンスティチュ・フランセ日本の共催でオンラインカンファレンスが連日開催。初日に行われた「パリ・オリンピックにつなぐ、アフターコロナの建築と都市」では、スピーカーに国立競技場の設計に携わった建築家の隈研吾と、2024年のパリ・オリンピックを目指した新しい都市のデザインを建築家として統括するドミニク・ペローを迎え、建築家・美術史家の山名善之のファシリテートで、公共建築が都市や市民生活にもたらす成果や、アフターコロナの建築・都市のビジョンについて話し合われた。


オンラインカンファレンス「パリ・オリンピックにつなぐ、アフターコロナの建築と都市」(アンスティチュ・フランセ日本)

カンファレンスでは、作り手としてゴミを減らすためのカーボンニュートラルや、物流の観点からの地産地消、テクノロジーの活用などの事例を紹介。サスティナブル、環境を考えたものづくりにおける、建築、プロダクト、企業の意識の高まりを感じると話した。また一方、マーケットや全体コンセンサスを待つのではなく大きく考え、小さく動くことの大事さや、多様性という面で、人間以外(動物、昆虫、植物など)の視点も考えてみてはどうかといった話題も。鼎談からは、都市とデザインの未来を感じさせてくれるような提言も数多く含まれており、興味深い内容だった。


オンラインカンファレンス「パリ・オリンピックにつなぐ、アフターコロナの建築と都市」より

全体を通して、今年のデザイナートはコロナ禍の影響で会場数も若干少なくはなってはいたが、それに反比例して、一つ一つの展示内容の質がとても上がっていたのが印象的だった。また各会場では昨年に引き続き入場制限やアルコール消毒などが徹底されていたが、アメリカなどで義務化されているワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)の提示が含まれればより安心して楽しむことができたのではないだろうか。来年はアフターコロナのイベントとして来場できることを期待したい。

DESIGNART TOKYO 2021
会期:2021年10月22日(金)〜31日(日)
エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷・恵比寿/代官山/六本木/銀座/オンライン
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
http://www.designart.jp

Text: Taketo Oguchi
Photos: Nacása & Partners Inc. Courtesy of DESIGNART TOKYO (Except for “I am Nature”)

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
アドリアン・M/クレール・B
MoMA STORE