デザイナート トーキョー 2021

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

銀座エリアでも数多くの展示が行われていたが、そのうちの一つ、有楽町駅〜新橋駅間の300mの高架下空間に昨年誕生した、日比谷OKUROJI(オクロジ)でも空間を活かした様々な作品を見ることができた。日比谷OKUROJIは、100年の歴史を持つ明治生まれの煉瓦アーチを生かした高架下空間で、飲食店を中心に雑貨店などが軒を並べている。


(⽇⽐⾕OKUROJI)© Nacása & Partners

ここでは、小林新也(シーラカンス食堂)の商品企画・デザインによる、ガラスと同等の透明度を持つシリコーンゴムでできた機能性に富んだキンジョウジャパンのグラスや、デサイナー・清水覚(オクノテ)と伝統工芸士・一色清(湯島アート)による不用品を伝統工芸の力で再生する「再生工芸展」や、「日本のデザインを世界へ発信する」そして「世界のデザインを肌で感じる」をテーマとするバッドブランドの展示など、興味深いプロジェクトを数多く見ることができた。


松本悠里 × 大久保悟 × 高瀬瞬輔「演奏の花」(⽇⽐⾕OKUROJI)© Nacása & Partners

デザイナー/メディアアーティスト・松本悠里は、サウンドクリエイター・大久保悟と映像クリエイター・高瀬瞬輔とのコラボレーションで、ピアノ演奏に合わせ、演奏者と観客の周辺の空間に花畑を生成するインタラクティブアート作品「演奏の花」を展開。演奏者はピアノを演奏することによって音がリアルタイムに空間に影響することを視覚的に認知し、音と花の色に関係性があることを見出すというものだ。


ピヴォット「建築家の椅子展」(⽇⽐⾕OKUROJI)© Nacása & Partners

京都と東京を拠点に活動する家具レーベル・ピヴォットは、「建築家の椅子展。2021」と題し、建築家8組がデザインした椅子の展示会を行った。古くから建築家が椅子のデザインを手がけることはよく行われていたが、近年は少なくなっているという。本展では、岡山県真庭市との共催で、真庭で製材された杉と桧の無垢材を椅子の素材に利用した作品をそれぞれ発表した。

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