PLAY WITH THE EARTH 逗子公演 2020

HAPPENINGText: Azusa Igeta

暗転したスクリーンにモノクロで映し出されたのは、ニューオーリンズのマーチングバンド。かつて文化の化学反応が起こり、新たな音楽を生んだこの街にある躍動感をオープニングに選ぶセンスから、CCがカルチャーを愛し、リスペクトしていることが伺い知れる。


Photo: Rai Shizuno © CINEMA CARAVAN

全身でビートを刻む彼らに呼応するかのようなドラムのビートを合図に、公演が始まった。ノスタルジックな田園風景、キラキラと光る海辺、都会のビル群の中…。スクリーンには、これまでに彼ら自身の手で創り上げた移動式映画館の様子が映し出されていく。写真家、大工、音楽家、美術家、飲食店オーナー、映画館館長とそれぞれが手に職を持つアーティストの集合体であるCCは、個々の才能や技能を持ち寄りながら、共創しているのだ。


「Play with the Earth」逗子公演 2020 © CINEMA CARAVAN
ドラム:NAOITO、ヴォーカル&パーカッション:長島源、ヴァイオリン&ギター:オトジ+レイ、フルート:斉藤真紀、キーボード:BOCCHI、ギター:THG(白石才三)、ゲストドラマー:小林良雄、スペシャルゲスト:UA

映像と一体化する美しい旋律を奏でるのは、彼らと縁深いミュージシャンによって構成される「Play with the Earth orchestra」。これまでに逗子、城ヶ島、バスクなど国内外で志津野氏と共に物語を紡いできた、本作のストーリーテラーである。さらにドラムのNAOITO(ナオイート)は、CCの一員である。スクリーンに映る景色を、志津野氏と共に見てきた旅仲間だからこそ、映像と音楽という異なる表現が見事に共鳴していたのだろう。

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