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ヴォルト

PLACEText: Victor Moreno

6品のコースメニューは、4品のメニューにプラスして子牛のライ麦クリスプのせとカキとアイスランドガイという地元の貝料理が含まれる。貝のだしがたっぷりと出たコンソメやブイヨンは海の香りを運び、ぎゅっと味のつまった、グリルした牡蠣と一緒にいただくことで一層、素晴らしい味わいとなる。今回で選んでもらったワインは、ギリシャの2017年の自然派ワイン、テトラミトスの「ロドティス・ネイチャー」(アノディアコプト、パトラス、ギリシャ)だ。


Cod, Cauliflower, Oyster © VOLT

ホタテは、クロスグリと生バター、西洋ネギと共に。そしてオイルに浸して食べるため石造りのオーブンで作られた伝統的なパンが一緒に運ばれてくる。これがまた最高なのだ!


Veal © VOLT

仔牛肉のライ麦パンとラモンソース添えは、ここの代表的な料理だ。『このソースは、燻製にした骨だしのソースで、秋にはヘラジカ肉を使ってカルパッチョ風に。クリスプにはキマメを添えてお出しています。』とシェフのフレドリック・ジョンソンは説明する。仔牛肉はカルパッチョに質感を与えてくれる。フランスの赤ワインとの相性もばっちり。ここで登場したのは、2017年のレ・フラール・ルージュ「ル・フォン・ド・レール・エ・ルージュ」モンテスキュー・デ・ザルベール、ラングドック・ルシヨン、フランス。


Hen © VOLT

パンケーキに乗せたビートは、スウェーデンのクルマバソウとシラカバ樹液シロップを添えていただく。シラカバは、一般にビヨルクと呼ばれるスカンジナビアの景色の中で最も特徴的な木の一つだ。

おそらく、ホロホロチョウ料理が彼らの一番の特別料理だと言える。スウェーデンでは、この数世紀の間、鶏はかなり人気があったが、この肉は鶏のように柔らかくないため、だんだんと人気がなくなった。うまく調理することは簡単ではなかったが、ヴォルトはスウェーデンスタイルで、ホロホロチョウの胸肉を上手に料理した。鶏肉はカリカリにするべきと考える人も多いが、ここではバルト海の澄んだ浅瀬で採れた昆布とスパイスで柔らかく、素晴らしい味わいに仕上げたのだ。全てがスウェーデン生まれのヴォルトやフレデリック・ジョンソンが手掛ける料理の特別さは、人々がスウェーデンでいったい何を見つけることができるか、それを使って何ができるか、に焦点をあてていること。ここでのワインは、クロテール・ミシャル2017「レ・ヴィーニュ・サントゥネール」(ボージョレ、ブルイィ、フランス)だ。


Beetroot, Birch Syrup, Muskwood Mahogany (Myskmadra) © VOLT

ヴォルトのルバーブデザートは、栽培されたルバーブで作られている。イングランドのヨークシャーで始まったという栽培方法は、ホワイトアスパラガスのように暗闇の中で暖かく保たれた室内で栽培するというもの。季節は冬でも、ルバーブは夏だと勘違いしてしまうという仕組みなのだ。ヴォルトは、スウェーデンでこの栽培を行う農家、リララベックとのみ提携している。シェフが手掛けるのは、焼いたルバーブに、根のオイルで風味をつけたルバーブシロップをかけた一品。サイドディッシュは初乳を使った料理。初乳は、牛が赤ちゃんを産んでから最初に出す牛乳だ。この生乳はより多くのタンパク質が含まれているので、シェフがパンナコッタのようになるまでオーブンで焼く。それからホイップして、クリームと混ぜる。キャラメルを上に乗せることで、口の中に苦味と甘味がほんのり広がる。こちらと一緒にいただくワインは、リタ・ウント・ルドルフ・トロッセンのリースリング「フォンベルクアウスレーゼ」(モーゼル、ドイツ) だ。

最後の締めくくりには、スウェーデンの伝統的なスポンジケーキ、ソッケルカーカをコーヒーと共に。ヴォルトが始まった最初の日から出されているこのケーキは、おそらくスウェーデンで一番美味しいソッケルカーカだろう。スウェーデンには「fika(フィカ)」という、仕事を離れて皆で集まり、雑談をしながらコーヒータイムを楽しむ伝統的なコーヒーブレイクタイムがある。現代的な料理をいただくと同時に、フィカでスウェーデンの伝統的な経験をも味わうことができるのがヴォルトなのだ。コーヒーは、スウェーデンのロイヤルハウスにも勤めるダーヴィド・ホガード氏より提供してもらっているもの。

VOLT restaurant
住所:Kommendörsgatan 16, 114 48 Stockholm

営業時間:18:00〜0:00(土曜日17:00から)
定休日:日・月曜日
TEL:+46 (0)8 662 3400
info@restaurangvolt.se
https://www.restaurangvolt.se

Text: Victor Moreno
Translation: Satsuki Miyanishi
Photos: Andrea Jernmark, © VOLT

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