落合陽一展「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」

HAPPENINGText: Victor Moreno

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Levitrope © Yoichi Ochiai, Courtesy of HiRAO INC.

『前々から、このレビトロープはカメラだと言ってきました。今回の展示では、その意味がよくわかると思います。この球体に周囲の風景をすべて写し込んで、風景から意味をなくしてしまう。風景を物質的に切り出す、ということ。それを、こんなに近くで鑑賞できる機会はなかなかないと思います』と落合は説明する。

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Silver Floats © Yoichi Ochiai, Courtesy of HiRAO INC.

さまざまな周期の波形をかたどったたくさんのオブジェが浮遊して回転するもう一つの作品は「シルバーフローツ」だ。『シルバーフローツはより抽象的です。たくさんのノイズが写り込みます。一つひとつのオブジェに遠景の映像を写り込ませて変換し、借景に見立てて取り込むという試み。そうすることによって、作品の展示風景そのものが、両眼視差のなくなっていく遠景のごとく、二次元化されたように感じられる。背景の映像と同化して、オブジェから物質性が失われていく作品です』と落合はつけ加えた。

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Morpho Scenery © Yoichi Ochiai, Courtesy of HiRAO INC.

展示の奥にある最後の部屋には、大きな窓が表参道に面している。実はこれは単なる偶然の一致ではなく、落合が重きを置く声明なのだ。自然の概念は変わった。私たちにとっての自然とは、人間が誕生した太古の昔からは違うものになっているということだ。落合はそれに気づく。ここでの表参道は、作家による工業社会のヴァナキュラー(土着性)の表現として用いられている。部屋の中央では、大きな拡大鏡が大窓の方を向いており、来訪者がアイデアの理解を深めるのに役立っている。この「モルフォシーナリー」というインスタレーションは、レンズに写り込んだ通りを2次元分割し、落合の重要なコンセプトである「借景」が再び援用されるのだ。

落合陽一「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」
会期:2018年4月20日〜6月28日
時間:11:00~20:00
会場:EYE OF GYRE
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
TEL:03-3498-6990 (GYRE)
主催:GYRE
協力:HiRAO INC.
https://gyre-omotesando.com

Text: Victor Moreno
Translation: Yu Fukai

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