台北ビエンナーレ 2016

HAPPENINGText: Cindy Tai

1994年から2010年にかけて、アーティスト、グザヴィエ・ル・ロワによって制作された作品「回顧展」は、私たちがどのように時間を使用、消費、または生産するかについて、様々な経験を問う状況を構成する演劇パフォーマンス。

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グザヴィエ・ル・ロワ《回顧展》, 2016年

作品は3つの軸に基づいている:観客の訪問者数、そこで費やした時間の長さ、新しいプロットの開発時間。このプログラムは、作品の発展を目的とするのではなく、舞台芸術と博物館の展示会との間のコミュニケーションを可能にする演者の動きを「回顧」によって再現することを目指している。

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チェン・ジエレン《殘響世界》,2014年,4チャンネル,白黒デジタルシネマ,102分

チェン・ジエレンの作品「殘響世界」は、ハンセン病の被害者を収容するために建てられた療養所「楽生療養院」の解体に関するドキュメンタリー映画。建物の解体が始まった2014年から、チェンは様々な人物の視点から撮影し始めた。映像や、オブジェ、医療記録などを通じて、観る者の感情を揺さぶる。全ては過去の出来事なのか?

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クオ・ユ・ピン《自治権》,2016年,ミクスドメディア

このクオ・ユ・ピンの作品「自治権」は、自身の血液で自身の伝記を記した本や映像、絵画などによるインスタレーションで、家族や国、集合意識のリアリズムと社会、政治や経済の相互関係を探求する。この作品は現代医学の概念に縛られない他者との倫理観についての問いであり、個人の「自由意志」を示している。

ビエンナーレは、芸術だけでなく、あらゆる人生の人々が来て、見学したり、議論したり、話し合ったりするための環境を作り出す場になっている。
また、台北市立美術館では、過去のビエンナーレを紹介する「台北ビエンナーレ・レトロスペクティブ 1996-2014」を同時開催中だ(3月1日まで)。誰が訪問する機会を持って訪問することを忘れないだろう。

台北ビエンナーレ 2016
テーマ:現在のジェスチャーとアーカイブ、未来の系譜
キュレーター:コリーヌ・ディゼレンス
会期:2016年9月10日〜2017年2月5日
会場:台北市立美術館
住所:台北市中山北路三段181号
主催:台北市立美術館
http://www.taipeibiennial.org/2016/

Text: Cindy Tai
Photos: Courtesy of the artist, Taipei Fine Arts Museum

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