ザ・パリ・オブ・タレント 2016

HAPPENINGText: Stephanie Bui

サキナ・ムサのプレタポルテの2008年春夏コレクションのドレスは、社会的責任を負うファッションデザインの役割と能力を控えめに示している。その年の彼女のコレクションの服は、象徴的なフランスのカトリック司祭、アベ・ピエールによって設立されたエマウスの活動に着想を得て作られた。

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© Sakina M’Sa

彼女は長年に渡り、失業者の訓練、雇用による職人技術の尊重、地域社会と社会的責任のもと、原料から消費者に至るまでの過程の追跡管理を行い、アップサイクリング(廃材などを高品質で機能性の高い新しい素材や製品に変換すること)に努めてきた。その後、ファッションシステムの中で責任あるデザインを強化することを目指したコンセプトストア「フロント・デ・モード」をオープンし、その社会的責任の意識により、彼女はパリのファッションシーンの先駆けとなった。

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© Tzuri Gueta

テキスタイルデザイナーのツリ・ゲタによる、2009年のファッションジュエリーのためのシリコンデザインアートは、科学、繊維、デザインがどのように混合され、マッチするかを示している。彼の制作する織物と組み合わせたシリコンは、彼の代表的なスタイルとなっている。レースにシリコンを吹きつける技術は2005年に特許取得され、多くのファッションとクチュールブランドが繊維の装飾の技術として使用している。

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© Julien Fournié

ジュリアン・フルニーの2009年コレクションの最初のクチュールドレス「ファースト・ピース」はすでに、後にオートクチュール・ウィーク中に展示される、より革新的な素材と混合されたスタイル・コードの前提となる概要を示していた。彼はダッソー・システムズ社のファッションの世界と3Dデザインの交わる技術インキュベーターであるファッションラボと共にそのファッションテクノロジーへの興味を探究してきたことで有名なデザイナーの一人。

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