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アートフェア札幌 2016

HAPPENINGText: Ayumi Yakura

様々な地元アーティストの作品を集め、毎年、空間の壁を埋め尽くすほどの作品を展示している「ハナアグラ」(札幌)。入り口と洗面台には、本フェアのメインビジュアルにも採用された毛内やすはるによる、絵画と彫刻の要素を併せ持った紙製の立体造形や平面作品が並んだ。また、西洋の肖像画のスタイルを取り入れた2〜3次元の版画表現で注目され、現在渡欧中の松浦進作品も出品された。

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1312号室 ハナアグラ(札幌)

他にも、雪景色に魅せられてマカオから札幌へ拠点を移したシーズン・ラオが手漉き紙に現像した風景写真、8ミリフィルムを手に世界各地で幸福の瞬間を撮り集めた竹本英樹の写真など、今年は写真の割合が多い印象であった。また、ストリート・カルチャーの影響を感じる作品も複数あり、音楽イベントでも活動するケイソウル・ヤンによる枠に収まらない勢いのドローイングや、クレイジーなユーモアや多幸感のあるKURiO(クリオ)のコラージュ、そして、写実的な風景画上に文字のグラフィティを大胆に配した米澤卓也作品が展示されていた。

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[特別企画] 米澤卓也ライブドローイング

ハナアグラから出展した天塩(てしお)町在住の若手実力派画家の米澤卓也は、フェアが開催される2フロアを結ぶ階段の踊り場で会期中を通してライブドローイングも行った。「幻の美術館」をテーマに、ある一点から見ると絵画作品が浮き上がって見えるトリック・アートをクレヨンで描き出し、通行する来場者を楽しませた。完成した作品は作者のFBページで見ることができる。

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1309号室 Clark Gallery + SHFT(札幌)

本誌が運営する「クラークギャラリー+SHIFT」は、北海道出身で東京・ドイツ・スイスを拠点に活動する小林俊哉による、環境の変化に物言わず長年立ち続けてきた木の年輪に着彩した新作等を出品。現実と非現実の間に潜む生き物を描くシュゥンは、代表作である大小の「モジャモジャ」やマトリョシカを出品。本フェアへ初出品した澁木智宏は、様々なロケーションで撮影して見せる事を前提にウールで制作された等身大の人形と写真作品、さらに、実用もできるアートとしてウールによる雲形の棚を出品した。

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