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アムステルダム・ダンス・イベント 2016

HAPPENINGText: Kumi Nagano

ハウスやテクノミュージックのシーンの一線で活躍してきた音楽家が参加したインスタレーション作品も見られた。

オランダのデザインブランド「ドローグ」によるコンセプトホテル「ホテル・ドローグ」では、ニューヨークをベースとするベテランのハウスプロデューサー、ジョー・クラウゼルと、パフォーマンス・アートなどの分野で活躍するオランダの芸術家リディ・シックスがコラボレートしたインスタレーション「Fields of Frequencies」が展示されていた。

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「Fields of Frequencies」Lidy Six & Joaquin ‘Joe’ Claussell Photo: So Oish

LEDライトによる光が、時間の経過に応じてゆっくりと色を変えていき、その空間にジョー・クラウゼルが作曲した音が静かに流れるという作品だ。ジョー・クラウゼルは「スピリチュアル・ハウス」のオリジネーターと評価され、生楽器を多用したハウスの楽曲で知られているが、この作品で聞かせるサウンドは、ドローンのような持続音や少しずつ変化していくノイズを主体としたもので、普段の彼とは別の顔を見せているのが興味深い。題名にあるように色と音の「Frequency(周波数)」が作品のテーマであり、微細な変化を表現の中心に据えることで、人間の知覚の限界に挑戦するという意味合いも込めていた。

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「Terrene」Heleen Blanken & Peter Van Hoesen Photo: So Oish

17世紀に画家レンブラントが実際に住んでいた家をミュージアムにした「レンブラントの家」には、野外フェスティバル「ラビリンス」の常連として、日本でも高い人気を誇るベルギーのDJ/プロデューサー、ピーター・ヴァン・ホーセンと、オランダの女性ビジュアル・アーティスト、ヘレーン・ブランケンがコラボレートした作品「Terrene」が展示されていた。

ヘリーン・ブランケンによる彫刻が展示された中庭の空間を、ピーター・ヴァン・ホーセンのサウンドをヘッドホンで聞きながら鑑賞するというこの作品は、大気と大地の構造を表現したもので、展示空間の一番上のレイヤー、中間のレイヤー、一番下のレイヤーが、地球を構成する別々の層を表している。ユニークなのは、それぞれのレイヤーに対応したサウンドをピーター・バン・ホセンが作曲しており、各レイヤーのサウンドは、別々に再生することも、同時に聴くこともできるということだ。ピーター・バン・ホセンの音は、パーティで聴かせるようなテクノではなく、ノンビートのエレクトロニカだったが、重い低音を生かした彼らしい響きは健在だ。

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