古都祝奈良 – 時空を超えたアートの祭典

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

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北風呂町の倉庫 /「雫 -story of the droplets-」宮永愛子(日本) 撮影:木奥惠三

他にも国際的に活躍している宮永愛子から、ならまち在住の作家まで、幅広くバラエイティに富んだ作品が、歴史を感じさせる町家や倉庫などの空間に点在している。「ならまち」には、アートギャラリーやカフェ、ショップなど現代の文化を伝える施設も共存しているので、ゆっくりと通りを散策して巡るのがお勧めだ。思わぬ発見や出会いがあるかもしれない。

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大安寺 /「足場の塔」川俣正(日本) 撮影:木奥惠三

他にも、大安寺の東塔跡に川俣正(日本)、薬師寺の地蔵院前にシルパ・グブタ(インド)唐招提寺の滄海池にダイアナ・アルハディド(シリア)、西大寺の西塔跡の池にアイシャ・エルクメン(トルコ)が出品している。これらはこれまで紹介した奈良公園や「ならまち」から少し離れているので交通機関による移動が必要だが、時間があれば是非訪れてみてほしい。それぞれにその場所の持つ歴史と文化を感じることができるだろう。

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唐招提寺(滄海池)/「ユニコーンの逃避行」ダイアナ・アルハディド(シリア) 撮影:木奥惠三

「時空を超えたアートの祭典」と題された、過去(伝統文化)と 現代(アート)の遭逢(そうほう)は、今に息づく古都の歴史と魅力を再発見する巡礼であり、また、創造的な東アジア地域の未来を予見させる旅であった。互いの文化を尊重し、理解することで、東アジアの関係性はより良い方向に向かうはずである。これからも価値ある文化交流事業が継続され、新たな財産となっていくことを期待したい。

古都祝奈良(ことほぐなら) – 時空を超えたアートの祭典
会期:2016年9月3日〜10月23日
会場:平城宮跡、東大寺、春日大社、興福寺、元興寺、大安寺、薬師寺、唐招提寺、西大寺、ならまち、なら100年会館 等
料金:プログラムによる(展示場所により拝観料、見学料が必要な会場があります)
主催:奈良市、「東アジア文化都市2016奈良市」実行委員会
共催:文化庁
http://culturecity-nara.com/kotohogunara/

Text: Taketo Oguchi
Photos: Keizo Kioku, Courtesy of Executive Committee, Culture City of East Asia 2016, Nara

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