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山口碧生 個展「陰翳」

HAPPENINGText: Ayumi Yakura

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山口碧生 x Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

第二のライブ書道パフォーマンスは、個展開催前夜のオープニングレセプションで行われた。会場のミートラウンジへ黒衣を纏った2人の女性が現れ、手前に薄布、その奥に白紙を広げて立ち止まると、山口碧生が薄布をくぐって二層の間へ入り、奥の白紙へ左右のストロークを繰り返す。

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山口碧生×Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

その動きを目で追いながら、シンセサイザーやサンプラーを用いて即興で音楽を奏でるコリー・フラーがピアノの弦を弾くと、音に呼応して筆は弧を描き始め、音楽に導かれた(あるいは音楽を導いた)前衛書が書き上げられた。

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山口碧生×Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

初めの書の余韻を残したまま手前の薄布へ移ると、一画一画、動いては止まる筆の動きとその線に魅せられる人々の目前へ、果てしないことを意味する「無窮」(むきゅう)の二文字が書き出された。

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「無窮」山口碧生 x Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

そして最後には、床一面の白紙全体に、彼女の背丈に近いほど大きな筆で「瞬」(またたき)の一文字が書かれ、満員の会場に大きな拍手が鳴り響いた。貴重なパフォーマンスの記録映像は、個展会期中のみミートラウンジのスクリーンで見ることができる。

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山口碧生 x Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

山口碧生がパフォーマンスを始めた目的の一つは、書を平面の芸術として「鑑賞」するだけではなく、「体感」してもらうことにあるという。彼女にとって書を書くという行為は「瞑想から始まる心と体のダンスのようなもの」であり、「筆と墨を介して紙に残す「動」の軌跡、その制作過程こそ芸術と感じ、それを人々と共有したい」との思いがあった。

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「瞬」山口碧生 x Corey Fuller ライブ書道パフォーマンス, クロスホテル札幌, 2016年, Photo by Akko Terasawa

幼い頃から、音楽や自然の風景などにインスパイアされ、詩を書いて、それをコンセプトに制作してきた彼女の作品には、すべてストーリーがあり、映像のような「動」のイメージがある。その世界を表現する術として、コラボレーションやパフォーマンスを行うのは自然なことだったようだ。

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