ルーチョ・フォンタナ回顧展
1949年にフォンタナはキャンバスに穴を開けた、最初の「空間概念」(コンセッティ・スパツィアーリ)シリーズを制作し、約10年後に制作を始めたキャンバスに切り込みを入れた「裂け目」(タギリ)シリーズで彼は世界的な名声を得ることになる。
Concetto spaziale, Attese, (Concept spatial, Attentes), 1966 © Fondazione Lucio Fontana, Milano / by SIAE / Adagp, Paris 2014.
例え、この作品シリーズが多くの芸術家に影響を与え、フォンタナのキャリアとしても最も有名なものであるとしても、回顧展を代表とするものではない。これらの素晴らしい作品は、一見暴力的な振る舞いを見せたにもかかわらず平和的であり、年表では展覧会の後半にのみに現れる。
Concetto spaziale (Concept spatial), 1961, Collection particulière, courtesy Sperone Gallery, New York. © Fondazione Lucio Fontana, Milano / by SIAE / Adagp, Paris 2014.
展覧会を通じて、来場者の目や心は十分に感動に満たされ、信じられないほど素晴らしい発見が得られた後にこれら作品がついに現れる。そのことから、「裂け目」の影響はそれほど大きなものではないのだが、長年にわたって強く魅力し続けており、フォンタナは20世紀の主要な芸術家の一人として間違いなく際立っている。
Concetto spaziale (Concept spatial), 1962, Courtesy Tornabuoni Art, Paris © Fondazione Lucio Fontana, Milano / by SIAE / Adagp, Paris 2014.
回顧展の真の成功は、フォンタナの探求の新しい全体的なビジョンを提案したことにあり、今回初めて展示された多くの作品の中には、二次元のアーティスとしてのみならず、彫刻家や陶芸家として彼の才能を再評価する可能性が秘められていることにある。
続きを読む ...