ソナー 2014

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

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このあと、我々はこの会場を去らねばならなかった。マッシブ・アタックの昼の部が待っているからだ。この3日間、信じられないほど多様な音楽と企画を楽しんだ。新しいスペースフィラは大成功だったし、アヴァンギャルドで異様な音楽や音の実験を見せたソナーコンプレックスの講堂はここ数年のベストと呼べるだろう。

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さて、マッシブ・アタックのライブ。いき過ぎることのない、でもシンプルでは終わらない快楽とエレガンスさ、そしてパワー。複雑だけど正確。音とビジュアルの完璧なマッチング。数々のミュージシャンに影響を与えてきたすごいバンドである。彼らの讃歌が頭に残る。それを聴いた者は、それを見た者は、忘れることのできない体験をするのだ。

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リッキー・リーの音楽は繊細でエレガントだ。ニューアルバム「アイ・ネヴァー・ラーン」で、彼女はどのように人々の心を奪うのかを学んだに違いない。皆、彼女のカリスマ的なボーカルの音色に聞き惚れていた。美しいショーだった。

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メインステージではなかったが、ソナーカーには、ローレル・ハロを慕う人々が沢山集まり、会場ならではのアーティストと観客同士が近い雰囲気を楽しんだ。ワイルドなパーティーでダンス漬けになる前にこのショーを見ておくのはパーフェクトなタイミングだった。彼女のライブはユニークでいつも新しい発見がある。落ち着き払った態度は自信に満ち、まるで自宅で歌っているかのようだが、その歌声は天地を覆すのだ。

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このコンサートは我々に良質なミュージシャンによる良質な音楽はどんなエレクトロニック、コンピューター、プラギング音楽よりもパワフルでピュアであることを実感させてくれた。チック・フィーチャリング・ニール・ロジャース。彼らは2006年のソナーで演奏し、もちろん私もそれを見ていたが、今回のライブは年月を感じさせない素晴らしいものだった。同時に、うまく言えないが何かが違った。皆が大きなソナーパブのステージに立ち、おなじみのビートと歌詞で全ての歌を楽しんだ。私自身も最後の2曲を大勢の人々とステージで踊った。そしてこの後、やっと家路についたのだ。本当に感動的なイベントだった。

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8年以上、このフェスティバルの記事や写真を手がけてきたが、イベントは毎年改良され、もはやティーンエイジャーではなくなった。組織的に見ても、会場デザインを見ても、ソナープレス部門を見ても。フェスティバルは間違いなく年を重ねるごとに増々エキサイティングになっている。

Sonar 2014
会期:2014年6月12日(木)〜14日(土)
会場:Fira Montjuïc, Fira Gran Via L’Hospitalet
住所:Avinguda Rius i Taulet, s/n 08004 Barcelona (Fira Montjuïc), Av. Joan Carles I 08908 L’Hospitalet de Llobregat (Fira Gran Via L’Hospitalet)
https://www.sonar.es

Text: Julio Cesar Palacio
Translation: Fuyumi Saito
Photos: Julio Cesar Palacio

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