メゾン・エ・オブジェ・アジア 2004

HAPPENINGText: Fann ZJ

豊富なタペストリーや飾り立てた彫刻は、なめらかですらりとした日本のミニマルな美と生き生きとしたコントラストを描いていた。ずらりと並んだ装飾品は手工芸とデザインを最前線に打ち出す内容となっており、ライトの列と共に、家具は展示の目立たない位置に置かれていた様に見えた。

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ライジング・アジアン・タレンツ・プラットフォームでは、アジアをまたがり、シンガポール、タイ、香港、台湾、フィリピンとインドネシアの新進気鋭のデザイナーが紹介され、そこでは、コンセプトと物質性への革新的な探求の間のバランス感が見られた。精巧に作られたタイの家具、台湾のカラフルな陶磁器からシンガポールのコンクリート製のペーパーウェイトまで、全てが形と実用性や独創性の両立を試みていた。

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談笑や商談だけではなく、知性をはたらかせた講演が4日間のイベント会期中を通じてひろく行われ、トム・ディクソンのデザイン哲学に関する基調講演で最後を締めくくったフェアは、地元のものにとって有意義な出会いの場となった。例えば、ケリー・チャンが同じプラットフォームで彼女のデザイン思想について語る機会となったのである。デザインの領域における伝統と洗練といったトピックにおいて、議論はインテリア、クラフトや空間へのアプローチへと至った。

小さくコンパクトだったかもしれないが、初回となる今回に見られた雰囲気や関心を通じて、アジア版メゾン・エ・オブジェが今後どうなっていくのかが垣間見られた。

MAISON&OBJET ASIA
会期:2014年3月10日~13日
会場:Marina Bay Sands Integrated Resort
https://www.maison-objet.com

Text: Fann ZJ
Translation: Marie Okamura

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