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アブソルート・アート・アワード 2013

HAPPENINGText: Victor Moreno

『空想のビジョンについて書く様にとのことだったけれど、それは非常に皮肉に思えたの。私はここ13年間、介入する予定だった場所に関して現実と強く繋がって作業して来た。普段は作業予定の場所にかなり前から入って、そこがどんな感じかを理解するために、現地で普通の生活を送ってみるの。構築された空間はまさしく、その様に存在する事を可能にする歴史的遺物の結果だと思うから。風景を見るとそれが築かれた時という異なる時間に触れる事ができるし、どれが背後にあったのかを見る事ができる。言い換えれば、物事はこうやって形作られているわけ。別々にではなくて、ある特定のグループがその方向へ編成を進める力を持っていたのだから。もし歴史が異なっていれば、全く異なる種類の環境があると思うわ。要するに、自身のコントロールを遥かに越えて、私達の振る舞いがまさに建築的構造である様や、私たちがそれに反応する様子、人はある種のパターンに沿って行動する様に規定付けられているということに気がついたの。誰もなにもつくり出していなくて、私たちはただ既にある状態を利用してアイディアを実行しているだけなのだというアイロニーがそこにはあるわ。』

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Renata Lucas

『さっき述べた作業方法もあって、空想のビジョンを描くのは私に合う仕事の仕方ではおそらくなかったけど、やってみたわ。そして、既存の建築場面の断片を用いて実施されうる具体的なミュージアムを非常に一般的な言葉で書くべきだと気づいた。賞が獲得できるかどうか分からなかったけれど、もしブラジルで可能性を得られたら、この港区域で考えていたアイディアのうちの幾つかを実現できると思った。そのうちの一つのミュージアムが、サンティアゴ・カラトラーヴァによるリオ・デ・ジャネイロの「明日のミュージアム」だったわ。そう、それはまるで、ええ、まるでプロジェクトの象徴的首都みたいで、まるで60年代のニューヨークみたいね、アートがどのように役立つかを示していたわ。想像の中でこの港の架空ミュージアムを作る可能性を組み合わせたの。だけどこれは一つの可能性であって、それをブラジルでやるかヨーロッパでやるか、あるいはどこか違う所でやるか定かでなかった。けどブラジルでやる事を願っていたわ。ブラジルは変化を試みているし、空間管理の観点で非常にフレキシブルだから。夜から日中にかけて作業できるんだもの。この変化の空間は非常に重要なのだけれど、そうね、完全にオープンで素晴らしいのよ。』

『アート作品を制作するのに一定の金額のお金は必要。なにかを展開するためにとても良いサポートよ。だからとても良かった。どこでも予算制限に直面している訳だから。私は主に美術機構と仕事しているけど、実験には沢山のスペースがあるのに予算が限られている。それがこのシステムの一番悪い所ね。私たちは空間と予算とでにらめっこしているの 。成果はいつも理想と現実(勿論予算が通っての話)の間の交渉の結果。だからこのような支援に頼れるというのはとても重要なことなの。審査員チームとした素晴らしいディスカッションから沢山インスピレーションを受けた。他のアーティスト、ライター、キュレーターとご一緒できたのも良かったわ、とても面白いグループだったから。』

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