イーナ・ヴォリヴィルタ
PEOPLEText: Mike Sullivan
新しいオブジェや、家具をデザインするときのインスピレーションはどういったところからきていますか?
造形の美しさによっていつも私の心臓は高鳴ります。造形の過程を深く掘り下げていくことで、作品の本質を引き出そうと試みます。また古い技術、伝統を最新のデザインに応用する方法を見たり、学んだりすることが大好きです。
© Christofer Yevens Zagal
作品づくりに様々な素材や職人の技法を使っていますが、どのようにこういった多様な作品を制作できるようになったのですか?フィンランドの豊かな文化が関連していると思いますか?
前述のように、これは私の新しいことをしたい、学びたいという飽くなき欲求のためだと思います。未知の世界へ飛び込み、新しいことをしてみるのが好きですが、一人で行うのではなく協力し合う職人を見つけます。どのプロジェクトでも、いつも知識についての会話や意見交換が存在します。この学習プロセスは、私のスタジオや一人での活動のときも続きます。
プロダクトデザインについてフィンランドで学んだとき、異なる材質を使ってありふれたプロダクトを制作することが私の研究の大部分を占めていました。これが今でも私の制作スタイルに大きく影響していて、それを少しずつ進化させています。
© Jason Strong
フィンランドにおけるクラフトとデザイン業界についてどう考えていますか?
クラフトについては、フィンランドデザインには長い歴史と伝統があり、この素晴らしい遺産がまだ根強く息づいていると思います。しかし、規模は少しずつ縮小し、ユニークな作品を作るメーカーを見つけるのが難しくなってきているのも事実です。少しずつ失われてきている伝統的なノウハウを人々に広める事も私の役目だと考えています。デザインについては、フィンランドでますます新しく面白いメーカーやデザイナーが現れ、とてもよい流れがあると思います。もちろん海外でもですが。本当に面白いことばかりです!
© Iina Vuorivirta
デザイン・フォーラム・フィンランドの若手デザイナー賞を受賞し、人々は全く新しい方法でデザインのフィールドにチャレンジしたという印象に映ったと思いますが、今回の受賞について教えて下さい。
私自身としては、近代的な大量生産される製品と、小規模なハンドメイドの作品との間というのを意識し、技術者とともに本物の技術、最小限の材料を使って忘れられた物語や当たり前になりすぎているものを人々に語りかける作品を目指しました。
おすすめのユニークなデザインメーカーや、作品が見られる場所などがありますか?
残念ながら、ユニークなスキルを持ったアーティストを見つけるのは簡単ではありません。例えば、先週一緒に制作を行った素晴らしいガラス職人がいるのですが、彼は携帯電話も持っていませんし、インターネットにも情報はありません。それが魅力でもあります。とにかく実際に足を運んでその人に会って、話をするに限ります
Text: Mike Sullivan
Translation: Satsuki Miyanishi