NIKE 公式オンラインストア

奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)2013

HAPPENINGText: Chiaki Ogura

photo4.jpg
「ADEYAKA」西山武志

旧川本邸ゾーンのテーマは「回游城市」。キュレーターはサラスヴァティ(中田洋子・松尾寛・山中崇寛)、“琵琶を手に水辺に佇む女神” をモチーフとするアートユニットである。中田氏は、琵琶湖ビエンナーレ2012の総合ディレクターも務めている。

会場となる旧川本邸は、大正13年から昭和33年まで遊郭として使用されており、当時としては大変珍しい木造3階建て。いまも遊郭当時の間取りがほぼ完全な状態で残されている。

photo5.jpg
「堆積する薬莢」池原悠太

入口でまず出迎えてくれるのは、池原悠太の作品。自身が手描きで表現した素材を、デジタル上で組み合わせコラージュのように組み合わせることで、独特で幻想的な世界観を生み出している。また田中誠人も様々な素材やアナログとデジタルの技術を組み合わせる手法を用いており、見るだけではなく体感できる作品となっている。

photo6.jpg
「蝕」徳常広明

2階のスペースは、元遊郭の佇まいが残るなか、“生の価値や重さ” を想起させる作品が多かった。陶芸家である徳常広明は、白いセラミック片を用いて増殖をや連続性を感じさせる作品を部屋を横断して展示していた。作品は置いてあるだけで、何かの拍子で簡単に崩れてしまう。人間のDNAのように偶然性の積み重なりで成り立っている儚さと、その強さの両方を感じさせるものであった。また、Art Unit HUST(臼木英之・遠山伸吾)は、一見鉄に見える作品を階段の上を規則的に並べ、「生の階段」としてつくりあげた。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
鈴木将弘
MoMA STORE