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スタンリー・キューブリック回顧展

HAPPENINGText: Victor Moreno

展示は、キューブリックの歴史的リサーチに対する執着と、ファインアート、デザイン、建築からの影響を視覚的に採り入れている様も紹介する。アカデミー協会の代表ホーク・コッチは、「ロサンゼルスに初の映画ミュージアムを作るプランの大きな一歩になる。我々は喜んでLACMAとこの回顧展を共同主催したい」と述べていた。

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赤はとても感情的な色である。密度が高く、温かく、エネルギーや戦争と共になれば、火や血の色でもある。キューブリック作品の中で、彼は繰り返し、そして長期にわたって赤を使用し続けた。赤は彼の思想を表しているとも言える。作品の中で彼は色に囲まれながら物事の意味や感覚を作り上げていったからだ。色調はオレンジかダークレッドまで幅広いかもしれない。しかしその色による振動は常に人々にショックを与えてきた。

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「バリー・リンドン」の英国軍が着用するユニフォームが風景の中に流れる血筋のような赤、「2001年宇宙の旅」の宇宙船の中のインテリアの赤、「シャイニング」のホテルのトイレの赤、「フルメタル・ジャケット」のパイル軍曹の最後、壁に飛び散る血の赤、そして、「時計じかけのオレンジ」がハッとする音楽で始まり、「この後何が起こるか、よく見ておけ!」とでも言うようにフレームに広がっていく赤。「アイズ・ワイド・シャット」ではエロティシズムの赤だ。

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展示を通して、我々はキューブリックの世界に浸り、戦争の狂気による合理性の欠如や人間の虚しさを描いた各作品の心理的なアプローチ、彼が得たインスピレーション、彼の手法、彼の作品がもたらしたものを知ることができた。.

Stanley Kubrick Exhibition
会期:2012年11月1日(木)~2013年6月30日(日)
時間:11:00〜17:00(金曜日20:00まで、土・日曜日10:00〜19:00)
休館日:水曜日
会場:Los Angeles County Museum of Art (LACMA) 
住所:5905 Wilshire Blvd. Los Angeles
入場料:一般 $20、学生・シニア $16
TEL:+1 323 857 6000
https://www.lacma.org

Text: Victor Moreno
Translation: Fuyumi Saito
Photos: Victor Moreno

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