ライト・ショー

HAPPENINGText: Mike Sullivan

コンラッド・ショークロスの「スロー・アーク・インサイド・キューブIV」は専用の部屋に展示された、正直いってとても魅力的だが目が回るような作品だ。部屋の真ん中に設置されたケージの中のライトが前後に動き、格子状の影が絶えず拡大、縮小を繰り返すこの作品は、物理学、形而上学、生物学、幾何学、哲学、宇宙論などに着想を得ており、学際的な作品に仕上がっている。

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“Slow Arc inside a Cube IV (2009)”, Conrad Shawcross, © the artist, Courtesy the artist and Victoria Miro Gallery, London, Photo: Linda Nylind

反対の部屋には、ケイティ・パターソンの強烈な印象の作品「ライト・バルブ・トゥ・シミュレート・ムーンライト」が展示されている。近年人工的な光のせいで自然な月の光を見ることが難しくなってきている。そこでパターソンは月の光を複製した電球作品を制作した。ほとんど全ての人が本物の月の光を見たことがあるにも関わらず、あたかも見たことのないもののように感じられるような作品にするというような挑戦なのだ。この作品は月の光の寿命を与えられる程、十分に供給できる程の電球が用意されている。

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“Rose (2007)”, Ann Veronica Janssens, © the artist/DACS, Photo: Linda Nylind

階段をのぼったギャラリーで最初に見ることができる作品は、別の階へと続く見せかけの階段だ。これは、ブリジット・コワンツの作品による錯覚だ。蛍光管の光のステップはがのぼりの仮想階段をつくり出す。一方、アン・ヴェロニカ・ヤンセンズの「ローズ」は、スポットライトからの光のビームと人工的な霧を使って、光の彫刻を生み出し、光のビームがまるで立体の星のように見える。意識の状態の変化を再現しようとしたこの作品は、人間の知覚の限界を押し広げる。

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“Chromosaturation (1965-2013)”, Carlos Cruz-Diez, © the artist/DACS, Cruz-Diez Foundation, Photo: Linda Nylind

この展覧会にはまだ2つ紹介しなくてはいけない作品がある。一つ目は、ジェニー・ホルツァーの「モニュメント」。このパワフルな作品はLEDの書き込みの機能を利用しており、片方がもう一方に積み上がる形で2つの文章をエンドレスで送り続けている。内容は、兵士、関係者、拘留者から入手したアメリカの戦争やテロに関する政府の文書を使用している。2つ目のオラファー・エリアソンの「モデル・フォー・タイムレス・ガーデン」は、展示されている中でも最も見る人を混乱させる作品といえる。瞬時に水が凍ってしまったような錯覚を覚える27もの噴水の作品は、ストロボ照明がつくり出している。

Light Show
会期:2013年1月30日(水)〜4月28日(日)
会場:Southbank Centre
住所:Belvedere Road, London SE1 8XX
TEL:+44 (0)20 7960 4200
https://www.haywardlightshow.co.uk

Text: Mike Sullivan
Translation: Satsuki Miyanishi
Photos: Courtesy of the Southbank Centre

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