アート・ステージ・シンガポール 2013

HAPPENINGText: Fann ZJ

シチュエーションやセッティングの方法によって、作品に新しい一面を見出すことがある。今年のアート・ステージでは、パブリックアートへ新たな意識をもたらした。マリーナベイ・サンズでのアートクエストは、訪問者らがアート・ステージと会場、そしてマリーナベイ・サンズを巡ることができるアートトレイルを用意。シンガポールにおける公共空間の向上を目的として、パブリックアートを取り入れた素晴らしい都市開発を行った。

その総額は、5000万シンガポールドル(約40億円)。マリーナベイ・サンズのアトリウムには、アントニー・ゴームリーによる15トンもあるスチールロットをつなげてつくられた「DRIFT」がつり下げられ、チョンビン・ジンの 「ライジング・フォレスト(升林)」がホテルのロビーに設置されるなど、マリーナベイ・サンズの建築を手がけたモシェ・サフディによってつくりあげられたアートオブジェのコレクションが並ぶ。

ダイアログを必要としないショーケースはというと、ギルマン・バラックスにある、現代芸術センター(CCA)でのパブリックトークシリーズ。業界のキーマンともいえる著名人を含む、意見の異なる知人らによって構成されたショートフォーラム、Art101は、アート界でのこれからの方向性や指針が討議された。

鑑賞者のいないアートとは?アート・ステージでは、アジアのアートシーンの先端を担おうとするシンガポールの進展をさらに邁進させるであろうインターナショナルな討議がその最前線ともいえる地で繰り広げられた。

アート・ステージ・シンガポール 2013
会期:2013年1月24日(木)~27日(日)
会場:Marina Bay Sands, Singapore
info@artstagesingapore.com
https://www.artstagesingapore.com

Text: Fann ZJ
Translation: Ayuko Inaba
Photos: Fann ZJ

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