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伊藤綾香

PEOPLEText: Yuji Shinfuku

「Scribbed Line People」についてもう少し詳しく教えてください。今まで見た事の無い非常に独創的な作品だと思うのですが、こちらの作品の手法はプログラマーの方と共同で開発されたと聞きました。

これは、写真に撮影された人々の肖像をシュレッダーで細断された紙のように映す作品です。一つ一つ写真のテーマは様々ですが、シリーズとしてのテーマは、「そこに存在するのが当たり前のような人の存在が、急に不安定なものになったように感じる、存在意義について問うこと」です。紙切れのようにまるで透けて見える果敢ない人々の姿映すことができればと思い制作しました。

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Scribbed Line People, Ayaka Ito Collaboration with Randy Church

この作品は、プログラマーのランダル・チャーチと共同して作りました。制作する際にもっとも困ったのが、「どうやってリアリティーのある3次元のラインを肖像に統合することができるか」でした。そこで思いついたのが、自由に私が走り書きをしたラインを3次元にさせる自作のFlashソフトウェアを作る事でした。それによって作られた3次元のラインをCinema4Dと言う3Dソフトウェアとフォトショップで組み合わる事で、手で描くにはほぼ不可能な精密な紙のような形状を実現することができました。

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Scribbed Line People, Ayaka Ito

綾香さんの作品には独特のハンドメイド感、クラフト感があるように感じるのですがその部分についてはご自身でどう思われますか? また動物のモチーフも多く使われている様に思うのですがそのアイディアはどこから来ていますか?

そうですね。ハンドメイドの物は、とても身近で特別な価値がある気感じがして好きです。手で物を作るのも好きなので、できるだけ機械に頼らずに物を作ることを心がけています。動物のモチーフは、よく図鑑を眺める事が多いので、そこからアイディアが湧いてくる事が多いです。

綾香さんのウェブサイトはご自身のイラストが描かれていたり、カラフルで独創的な雰囲気ですがどのようなイメージで作られましたか?

個人のポートフォリオのサイトなので、とにかく自分の好きなものを全部詰めて「楽しさ」をイメージして作りました。鮮やかな色を使うのが好きなので、色もカラフルに楽しくでも子供っぽすぎずにしようとバランスを考えてました。

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