ジン・ニュ
PEOPLEText: Hiromi Nomoto
「恋人」シリーズは、少女ではなく大人の人馬の作品です。これらの作品についてお聞きします。
私も徐々に成長していき、男性と女性の関係は、決して誰が誰に属しているというような簡単なものではないと分かりました。
「恋人」Jin Nu, 2011. 50x18x85cm, 樹脂
女性はもともと母性を持っています。自分でどうすることもできない、母親の気持ちです。愛する人に対しても同じです。これは女性の持つ母性から出ていると思います。ですから、そのとき私は新しい内容のイメージをつくろうと思ったのです。
人馬の腹部にいるのは子供ですか?
宿しているのは、私の子供というわけではなく、私の愛する人です。実際には私は、私たちの生活において本当に愛する人との関係を暗示しています。
私たちが母体の中にいたとき、へその緒で母親と結びついていました。生まれてから、子供は両親の注意を引き、彼らに無償の愛を与えさせます。ある日子供は成長し、両親との関係は遠くなっていきます。女性に限らず異性への感情とは、母親に取って代わり、結びつきたいと思っているからです。私たち人類はいつも、親子の愛情や男女の愛情に限らず、別の人との間の関係を必要としています。
「弱水」Jin Nu, 2011. 80x45x60cm, 樹脂
この繊細な色使いは、他のアーティストたちの作品と全く違った印象強く与えています。これはどのようにしてつくられたのですか?
私は、深刻で重過ぎるものや他の人と同じようなものをつくりたくありません。これを作品の質感で突破したいと思い、ピンク色を選びました。実際には女性の本能なのでしょう。この穏やかで優しい質感とデザインで、私の求める効果が得られると考えました。その後、実験に実験を重ね、始めた頃の数十点は失敗し、それらを全て廃棄しました。最終的に、安定し、丈夫で、私の求めるものに近い質感を見つけました。
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