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アート・ドバイ 2011

HAPPENINGText: Mamiko Kawakami

このパリのコンテンポラリーアートギャラリーはアート・ドバイで大好評だった。沢山の来場者がこのギャラリーが一番のお気に入りだと言ってくれた。全く予想以上の反響だったとジュディは語る。

ジュディ自身、カイロで住んでいた経験を通してアラブアートはその勢いを増していると感じたそうだ。『この3年間で間違いない進化を見ている』と言う。過去10年のアラブアートはアーティスト達のアラブアイデンティティにフォーカスしたものが主だったとの事。最近ではアーティスト達は海外で経験を積み広い視野を身に付け、より新しい事にオープンになった。その変化は作品をより豊かなものにしたと彼女は見る。

だが、ドバイを始め中東アート市場にはまだまだ未発達な部分があるとジュディは指摘する。アート・ドバイのコレクター達は地元アーティスト作品に固執する傾向がまだあると言う。『多分、ローカルコレクターが他にも目を向けるようになるには、更に5年から10年は掛かるでしょう。』『確かに海外ギャラリーにも将来期待できる部分はあると思う。でも、辛抱強く待つ事が必要。』アート・ドバイの出展費は、オープンしたてで資金に余裕が無いギャラリーには安いものではない。来年の出展は未定としたジュディは『アート・ドバイへの出展は未来への賭け』と言う。

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‘Decoration/Face’ by Tomoko Sawada, Digital C-Print, 60 x 60 cm x 9, 2008. Courtesy of Connoisseur Contemporary

コノイッサー・コンテンポラリーは香港から。今年は澤田知子の有名なセルフポートレートアート「デコレーション」シリーズを展示。澤田はこの作品を通し外見と内心の葛藤を探る。

彼女の無表情な顔は、女性は従順であるべきというプレッシャーによる個性の欠乏と孤独を連想させる。 彼女のゴスロリ風衣装を着た写真の前にはスタイリッシュなデザインのアバヤ(黒く長いガウンでこの地域の伝統衣装)に身を包んだエミレーツ人女性達が集まった。写真を楽しそうに見ている人、真剣に見入る人、中には不思議でならないというような顔で眺めている女性もいてその反応は実に様々だった。

とにかく広く、限りない展示品の数から4日間では足りないと思う人も多かったのではないか。もちろんこのアートフェアでは多額の金が動く。が、それよりも中東のアートシーンの活性剤としての役割に期待している人は多い。ドバイも沢山のギャラリーで賑わい、更に毎年新しいギャラリーが次々オープンしている。ドバイがアートの先端都市となる夢もそう遠くないかもしれない。

Art Dubai 2011
会期:2011年3月16日〜19日
会場:マディナット・ジュメイラ
http://www.artdubai.ae

Text: Mamiko Kawakami

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