THE PHOTO / BOOKS HUB TOKYO 2011

HAPPENINGText: Yuko Miyakoshi

資生堂「花椿」のビジュアル・ワークを手がけてきたアートディレクター仲條正義による展覧会ブースでは、ファッション写真やフォー・テット等の音楽関係のプロジェクトで知られるジェイソン・エヴァンスの作品を展示。

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ジェイソン・エヴァンスの、様々なモチーフを取り込みイメージを実現する力に驚かされる。今回の展示には彼らしいビビッドな作品だけでなくノスタルジーを感じさせるような静けさをたたえた作品もあり、非常に良かった。

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スティーブン・ギルの最新作「OUTSIDE IN」が掛けられた一角は、気持ちのよい空気感に包まれていた。少しピントのぼけたブライトンの風景にカメラの中に直接入れたブライトンの「もの」たちが重なる。そこには、日常を高い所から望んでいるような清々しさが漂う。日本に滞在して写真集を制作したこともあり、東北に思い入れもあるスティーブン・ギルは、近々チャリティーブックを制作する予定だという。

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パネル左面 藤本涼 / 右面 小山泰介 作品

ニュートラルな色彩が強いインパクトを残す、G/Pギャラリー小山泰介。無生物の世界に視線を泳がせていると、たいがい人間味に溢れているというわけでもない色彩が、温かくユーモラスにも見えてくる。このようにクールに表現してしまうのが、新しい感性なのかもしれない。アーティストは、震災後に新作PDF写真集「SANDWICH Textures PDF」を販売するという一早いリアクションもおこした。オフィシャルサイトから期間限定で販売され、売上げは義援金として届けられる。

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