「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」展

HAPPENINGText: Memi Mizukami

私は、この展示の制作期間中に数日間アシスタントとして携わることができた。その期間中に彼女達が一人の人間として普通に制作する様子を間近で見られたのは、この上ない幸運であったと同時に、彼女達の素顔を見られたこともまた、素敵なことの一つであった。
例えば、神秘的な雰囲気の三田村光土里。作品にもそのムードは現れている。

土屋信子《宇宙11次元計画》2011
土屋信子《宇宙11次元計画》2011

そして土屋信子のシリコンや金属、あらゆる素材を使った実験室のような部屋と続き、ナム・ファヨンの記号論的解釈の図式とも言うべきウォールドローイングに続く。

ナム・ファヨン《Atomic》2011
ナム・ファヨン《Atomic》2011

鉛筆とガッシュで描かれた華奢でビビットな謎解きの様な絵は、学校の教科書に載っていた数少ない興味の湧く図解ページを思い出すかもしれない。

木村友紀+ユタ・クータ+荒川医 《BOYCOTT WOMEN》2011
木村友紀+ユタ・クータ+荒川医 《BOYCOTT WOMEN》2011

木村友紀+ユタ・クータ+荒川医の共同作品である「BOYCOTT WOMEN」では、中央に置かれた作業用の足場に、いくつかのテキストが印刷された紙が置かれている。それぞれ違ったタイトルで書かれたテキストは、どれも「展示を見に来て読む」にしては少々量が多い。展示ができるまでについて書かれたものや哲学的内容まで、日本語と英語でタイプされている。座ることに少し躊躇を覚えるベンチでテキストを読むことは美術における凶暴性、怪物的なものを感じることができる。彼らは3月27日にライブパフォーマンスを行うので是非拝見したいと思う。

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